活動報告

よもやま話

2021年度の北総線動静

旅客トイレの全面改修

当年度は新鎌ヶ谷及び千葉ニュータウン中央の2駅において旅客トイレの全面改修が実施された。千葉ニュータウン中央は2020年度からの継続件名で,当年度においては4月から7月にかけて旅客女子トイレが改修された。改修内容は2018年度にしゅん功した東松戸駅の新旅客トイレに準じ,旅客女子トイレにおいては出入口付近の段差解消やパウダーブースの新設が盛り込まれている。改修工事期間中はコンコース内に仮設トイレが供用されたが,昨年度の旅客男子トイレ改修時に使用した仮設トイレを一部流用して運用された。

施工前の新鎌ヶ谷駅旅客トイレ

△施工前の新鎌ヶ谷駅旅客トイレ

施工後の新鎌ヶ谷駅旅客トイレ

△施工後の新鎌ヶ谷駅旅客トイレ


新鎌ヶ谷駅の旅客トイレ改修は9月から3月にかけて施工された。該駅では,新京成線の連続立体交差事業の進捗によって同線と共用していたコンコースが2019年6月に分離され,空間利用に余裕が生じていた。本件工事はこれを踏まえて実施されたもので,旅客男子トイレ及び旅客女子トイレの空間を拡張し,出入口付近の段差解消やバリアフリートイレへの利用集中を防ぐ多機能便房の設置などを盛り込んだ改修が行われた。また,沿線で伐採した際に発生した木材を利用した内装材の使用や,洗面台のアイランド配置など,従来とは一線を画す改修内容も盛り込まれた。2019年度に実施した該駅のリニューアル工事,及び千葉県産山武杉を活用した待合いスペース「こもれび」と協調する設計思想である。

リニューアル工事中に設置された新鎌ヶ谷駅仮設旅客トイレ

△リニューアル工事中に設置された新鎌ヶ谷駅仮設旅客トイレ

旧西口通路に設置された仮設旅客トイレ

△旧西口通路に設置された仮設旅客トイレ


なお,成田スカイアクセス開業に際して2007年度から実施した該駅の改良工事に合わせて設備した既設バリアフリートイレについては,本件工事の対象外として一切の変更は発生していないが,改修期間中はバリアフリートイレを含む範囲で仮囲いが設置されたため,バリアフリートイレについても仮設トイレを設置していた。本件工事に伴う仮設トイレは,旅客男子トイレ及び旅客女子トイレを旧西口通路(電気室付近),バリアフリートイレを旧本屋口改札(出場専用通路の跡地)にそれぞれ設置された。旧西口通路はラッチ外であることから柵の移設が行われ,これによって宅配ロッカー等が一時的にラッチ内設備となった。また,旧西口通路については2007年度の駅改良工事に伴う西口廃止以降は一般旅客に開放していなかったが,2012年度の保育園設置以降は保育園関係者用通路として使用していたため,保育園関係者用の門扉についてもトイレ動線と支障しない位置に移設していた。