沿線点描

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2024年11月北総線ダイヤ改正

かねてより告知されていた今年度の北総線ダイヤ改正が11月23日付で実施され,平日夜間の下り区間列車増発などを盛り込んだNo.120ダイヤが同日より施行された。今回のダイヤ改正における北総線沿線の様子を以下に紹介する。

※車両走行キロや車両運用表等のダイヤ関係資料については,資料室輸送系インデックスから当該ページを参照されたい。

平日夜間における下り区間列車の増発

平日夜間に新鎌ヶ谷・印西牧の原間運転の下り区間列車1本が新設された。区間列車は下り最終アクセス特急列車に新鎌ヶ谷で接続するもので,当該のアクセス特急列車から新鎌ヶ谷・印西牧の原間のアクセス特急通過駅を利用する場合,到着時刻を最大8分早められる。下り最終アクセス特急列車における緩急接続は2017年10月のNo.117-3ダイヤで設定がなくなった経緯があり,実質的には7年ぶりの接続復活である。なお,今回の区間列車の設定により,平日の下りアクセス特急列車は朝一番の1本を除き全列車が新鎌ヶ谷で普通列車と緩急接続するようになった。

新設された下り区間列車は22時台の運転であり,送り込みとなる上り方向の列車については当該時間帯の輸送需要を踏まえて回送扱いとされた。新鎌ヶ谷・印西牧の原間運転の上り回送列車が定期設定されるのは,2019年10月のNo.117-5ダイヤ以来のことである。

下り最終アクセス特急列車と接続する印西牧の原行区間列車(2024.11.26:新鎌ヶ谷)

△下り最終アクセス特急列車と接続する印西牧の原行区間列車(2024.11.26:新鎌ヶ谷)

下り区間列車の送り込みとして新鎌ヶ谷・印西牧の原間に上り回送列車が復活(2024.11.26:新鎌ヶ谷)

△下り区間列車の送り込みとして新鎌ヶ谷・印西牧の原間に上り回送列車が復活(2024.11.26:新鎌ヶ谷)

スカイライナー新鎌ヶ谷停車便の拡充

新鎌ヶ谷に停車するスカイライナーが各日上り1本,下り2本の増となった。上りは成田空港発21時から23時までの20分ヘッド化に伴うもので,成田空港21時20分発の上りスカイライナーが新たに新鎌ヶ谷停車便として設定された。下りは京成上野19~20時台発の下りスカイライナー2本が新鎌ヶ谷停車便となったものである。夜間下りの新鎌ヶ谷停車便は今回のダイヤ改正が初設定であり,帰宅時間帯における着席保証列車としても機能する。

このほか,前述のスカイライナーの増発に伴う車両運用の都合で,AE形を使用したアクセス線経由の下り回送列車1本も新たに設定された。当該回送列車は平日こそ北総線区間を通しで通過運転するものの,土休日には時間調整のため新鎌ヶ谷に停車するダイヤで運転されている。

各日夜間の下りスカイライナー2本が新鎌ヶ谷に停車するようになった(2024.11.23:新鎌ヶ谷)

△各日夜間の下りスカイライナー2本が新鎌ヶ谷に停車するようになった(2024.11.23:新鎌ヶ谷)

各日夜間にはアクセス線経由の下りライナー回送列車も新設されている(2024.11.23:新鎌ヶ谷)

△各日夜間にはアクセス線経由の下りライナー回送列車も新設されている(2024.11.23:新鎌ヶ谷)

土休日の下りライナー回送列車は新鎌ヶ谷に停車する(2024.11.23:新鎌ヶ谷)

△土休日の下りライナー回送列車は新鎌ヶ谷に停車する(2024.11.23:新鎌ヶ谷)

北総所属車両による京成高砂滞泊運用の設定

車両運用の変更に伴い,京成高砂(高砂車庫)に夜間滞泊する北総所属車両の運用が新たに設定された。北総所属車両が自社線内以外で夜間滞泊する車両運用の設定は北総線開業以来初めてのことである。土休日ダイヤでは押上線方面から京成高砂までの下り最終列車として運用されていて,従来のダイヤでは考えられなかった時間帯や場所で北総所属車両の姿を見ることができる。もっとも高砂車庫をはじめ他社線の車庫に北総所属車両が入庫すること自体は珍しくなく,あくまでも夜間滞泊という点が目新しさと言える。

他方では,印旛車両基地で滞泊する京成所属車両の運用も設定されるようになった。北総線内での京成所属車両による夜間滞泊は,2010年7月のNo.115ダイヤからアクセス線一般車運用の1本が印西牧の原泊として長らく設定されてきたが,今回のダイヤでは本線一般車運用1本が印旛車両基地泊として新たに加わった。なお,土休日ダイヤから翌日の土休日ダイヤに亘るいわゆる「休ー休」の繋ぎにおいては,京成所属車両は81K運行で午前中10時台に入庫すると翌日の85K運行で18時台に出庫するまで印旛車両基地に1日半にわたり留置される。

往復3時間は要する西馬込へ22時台に上る北総車…当然北総線内には帰ってこられない(2024.11.24:印旛日本医大)

△往復3時間は要する西馬込へ22時台に上る北総車…当然北総線内には帰ってこられない(2024.11.24:印旛日本医大)

土休日は押上線方面からの下り最終列車に充当される(2024.11.24翌:京成高砂)

△土休日は押上線方面からの下り最終列車に充当される(2024.11.24翌:京成高砂)

北総線内には帰れず京成車に囲まれて高砂車庫で夜を明かす(2024.11.24翌:高砂車庫)

△北総線内には帰れず京成車に囲まれて高砂車庫で夜を明かす(2024.11.24翌:高砂車庫)

ほとんどの車両が出庫してがらんどうな朝の印旛車両基地で出庫を待つ京成車(2024.11.25:車両基地)

△ほとんどの車両が出庫してがらんどうな朝の印旛車両基地で出庫を待つ京成車(2024.11.25:車両基地)

掲示物

ダイヤ改正の告知ポスターについては,各駅にB3カラー版のポスターが掲出された。告知された改正の要点は,「増発」と「増加」をキーワードとして,平日夜間における下り区間列車の増発と新鎌ヶ谷停車のスカイライナー増加の2点である。このほか,発車標におけるスクロール文の表示や合成音声による自動放送の実施など各駅における案内が行われた。このほか,ダイヤ改正に伴う時刻表等の貼替については,路線図や所要時間表はそのままに時刻表のみが変更されている。

ダイヤ改正告知ポスター(2024.11.09:新柴又)

△ダイヤ改正告知ポスター(2024.11.09:新柴又)

ダイヤ改正後の時刻表(2024.11.23:新鎌ヶ谷)

△ダイヤ改正後の時刻表(2024.11.23:新鎌ヶ谷)