沿線点描

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北総線よもやま話2002

2020年2月の北総線よもやま話。このよもやま話は将来的に四季報として纏めていく前段階の落書きコーナー。

旅客:京急線駅名改称対応あれこれ

賛否ふくめて色々話題になった京急線6駅の駅名改称が来月に迫り,北総線内でも改称に向けた準備が進んでますよ~って話題から。

とはいえ現時点でそれらしい準備が認められるのは運賃表のみ。もちろん券売機とか営業機器だって時期的には準備をしているだろうけど,確認できる範囲にあるのは運賃表くらいかな。そんなにしっかり見てないのでほんとはもっとあるかもしれんね(わら

空港連絡特殊割引の文言までシール対応

△空港連絡特殊割引の文言までシール対応

運賃表の改修は各駅で完了していて,新駅名の上から現在の駅名をシールで貼っている状態。対応の詳細としては,羽田国内と国際は運賃や駅番号を含む枠まるごとシールになっており,隣接駅なので両駅まとめて1枚のシールで隠されている。あとの4駅(花月園前・仲木戸・産業道路・新逗子)は同一運賃区内の他駅に変更がないことから当該の駅名箇所にシールを貼っているのみ。ちなみに,駅名以外では羽田国内・国際の2駅と北総線各駅相互間に設定されている空港連絡特殊割引に係る説明がシールで追記されている。

掲示物関係でいえば広域路線図も気になるところだけど,現時点で書き換えは実施されていない。今の広域路線図は2010年の羽田国際開業時に制作されたもので,2012年の押上副駅名導入時に当該駅(押上)に対してシールを重ね貼りしたのみ。そろそろ作り直すのか,はたまたシールで対応するのかはなぞ???

浅草線内は4駅ほど表記が都営公式と違っている

△浅草線内は4駅ほど表記が都営公式と違っている

それはさておき,せっかく運賃表を作り直したというのに都営線内の駅名英字表記は変更されず。というのもここ最近の一号線各社局の動向として,それまでガン無視に近かった他社局公式の表記方を取り入れるようになってきたのね。この手の表記方はサインマニュアルとかそういうのに定めているのだろうし,マニュアル自体は各社局で以前から定めていたと思うんだけど,それを関係各社局間で共有していたか,他社局の案内は他社局の表記方を用いようとする姿勢があったか…といえば,案外そういうのは重点を置いてなかったんだろうね。めっちゃ表記ゆれしている。

表記が揺れる原因としては,各社局で駅名の表記方が微妙に違うから。たとえば東西南北や新とかを冠する駅名について,北総なら「Higashi-Matsudo」のようにハイフンで繋いでどちらも頭文字を大文字としているけど,都交は「Higashi-nihombashi」のようにハイフンは使っても後ろの単語は小文字にしてしまう。そして京急なら「Higashimonzen」とハイフンを入れずに1語にしている…という具合に,こうした各社局の違いがあるにもかかわらず,自社のルールで書いてみた的な対応が少なからず存在していたわけ。

この辺に意識して見てみると,京成車で最近進んでいる表示器のソフトウェア変更にも別の側面からアプローチできるってもんで,駅名に京成を冠するようになったのは京成のマニュアルがそうなっているからと納得できる。北総の運賃表も京成や京急の表記についてはそれぞれの公式の表記方に倣っていて,かつては「京成うすい」なんて書いていたものが「京成臼井」になって久しい。そんな潮流があるということを前提に見てみると次の課題が見えてくるような…こないような…。

車両:9100形も前照灯更新

今年度から始まった北総車の前照灯LED化,1Qには7500形・9200形のLED化を実施したけど,今月下旬からは9100形の工事が始まった。

まあ遠目に見ればわからんか…

△まあ遠目に見ればわからんか…

以前のシールドビーム灯がそうであったように,LEDユニットはライトケース内に2つ並べて設けられている。1ユニットあたり16灯のLEDからなるのも7500形等と同様で,ハイビーム・減光時の点灯状態も同じ。

アップで見ればなんじゃこりゃ~って感じ

△アップで見ればなんじゃこりゃ~って感じ

車両:7500形冷房機更新で東芝から三菱へ

今月で7500形の導入開始から14年になるんだってさ。そりゃ冷房機だって新しくなるよね。

三菱製冷房機を載せた7501編成

△三菱製冷房機を載せた7501編成

ということで今月中旬に1週間ほどかけて宗吾に行っていた7501編成が冷房機を新しくして帰ってきた。別に7500形の冷房機交換は今回の事例が初ではなく,都合によって1台だけ交換するみたいなケースは7502編成とかで見られたのだけど,今回の7501編成は8両全車で新しい冷房機を載せているのがミソ。

そんな7501編成,思い起こせば昨年末に空調主回路箱を取り替えたのが今回の伏線だった。7500形は3000形がそうであるように空調装置の納入メーカが車体メーカによって分かれていて,東急車輛製の7501編成だけは東芝の空調装置を搭載していたのだ。なので冷房機はもちろん,空調主回路箱だって東芝製だったのだけど,去年末の取替でなぜか三菱製の空調主回路箱になっていた。この時点で7501編成の「脱東芝」フラグは立っていたってことだね。

空調主回路箱の三菱製への更新直後。東芝製冷房機との組合せ。

△空調主回路箱の三菱製への更新直後。東芝製冷房機との組合せ。

で,すっかり忘れたころにフラグ回収で三菱製の冷房機が載りましたよって話。普段は冷房機なんて同種交換なら別に…なんて思ってるけど,宗旨変えするとなったらちょっと見ておこうかなって感じで取り上げてみた次第。ちなみに冷房機の型式はCU718Aで,これは日車製編成と同じもの。もちろん,北総車は京成と違って「冷房強」モードを入れていないので,空調操作器は相変わらず「除湿」のまま。

電力:牧の原の照明設備がLEDに

このところすっかり進展のなかった照明設備のLED化が牧の原で展開され始めた。工事自体は中旬に着手したばかりで3月末まで工期を残しているので殆ど進んでいないものの,現時点では待合室などがLED化されて露骨に明るくなっている。

色温度の変化も見た目の印象を変えているよね

△色温度の変化も見た目の印象を変えているよね

照明設備のLED化については2011年度の矢切ホームを皮切りにじわじわ進めていたのだけど,2016年度に補助金に支えられて北総側は概ね完了。CNT側は2017年度から車両・施設とも実施している…のだけど,北総がそうであるように経年の浅い設備が多いためか進捗としてはかなりローペース。この辺の基準とか施策の考え方はもう少し勉強しないといけないんだけど,ひとまず牧の原については施策を進められる条件が整ったってところだろうか。

信通:電気転てつ機に小変化

信通関係で今月気になったのがこれ。変化の背景まではよくわからんのだけど,電気転てつ機の外見に小変化があった。

明るい黄色でかなり目立っている新塗装

△明るい黄色でかなり目立っている新塗装

端だけ黄色くなっているのが旧塗装

△端だけ黄色くなっているのが旧塗装

というのも,動作かん・鎖錠かんカバーに対する警戒塗装がより目立つような装飾になったのね。それぞれの部品に対する説明は省略するけど,転てつ機から手足のように生えているのが今回変わったカバーね。

もともとはそれぞれカバーの先端部に黄色く塗装されていて,N・Rの記載は動作かん側のカバーに記されていたのだけど,新しい塗装では従来より明るい黄色でカバー全体を塗装した上で,記載は鎖錠かん側のカバーに移されている。

旧塗装と新塗装が混じる牧の原構内

△旧塗装と新塗装が混じる牧の原構内

まだまだ作業中って感じで同一構内に新旧混じっている箇所もあったけど,近いうちに統一されるだろうね。車基の中までは確認していないけど,やらない理由もないだろうから西白井の訓練用も含めて全部新しくなるんだろう。安全対策の一環と片付けてしまえばそれまでだけど,ヒヤリハットなり上がったのかね。

建築:牧の原帳壁修繕はじまる

今年度は牧の原がアツい。やたら工事が入っていて目が離せないのだけど,今度は帳壁の修繕が中旬から来月下旬までの工期で始まっている。

起点方から修繕が始まっている

△起点方から修繕が始まっている

工事対象はざっくり言えばアーチ屋根にある半円形の窓の部分。これがカーテンウォール(帳壁)なのだけど,よく見ると窓ガラスの色がところどころ違うのは震災のときに割れたりしてるから。

興味深いのは工事件名として「起点方」,「海側」,「山側」と3件名に分かれていること。この辺は工事1件あたりの契約額とかそういうのが事務的に関係してくるのだろうね。ちなみに終点方は今回の対象に入っていないようだけど,これは昨年秋にひっそりやっている。その分割具合といい工期の分かれ方といい,ちょっと気になったので取り上げてみた次第。

それはそうと運行情報ディスプレイは昨夏から死んだまま

△それはそうと運行情報ディスプレイは昨夏から死んだまま

別件ながら,大町ではコンコースの点字ブロック張替が始まりそうな感じ。いよいよバリアフリー化も遠からず始まってくるだろうから,それにあわせた内容になってくると見ている。