北総線よもやま話1810

投稿:2018-10-31/カテゴリ: よもやま話

2018年10月の北総線よもやま話。このよもやま話は将来的に四季報として纏めていく前段階の落書きコーナー。

塩害と新柴又

いよいよ18年度も第3四半期…になった途端に大障害発生。巻き込まれたともいう。

近年稀に見る大障害って感じで,3日から5日までの延べ3日間にわたり運行ダイヤが大幅に乱れてしまった。

マスコミが散々騒ぎ立てたように,原因は京成線内での送電障害。どうして送電障害?という,そもそもの原因については公式は未だ調査中としている。憶測でどうこう言う話ではないけど,当日の碍子や集電舟の状況をみると塩害なんだろう…。京成の碍子はフツーの180だったと記憶しているし,特に塩害対策はしていなかったと思うが,その後の対応含めての事態とも映る。

そんな京成線全線が障害に見舞われた5日には,京成管轄となる高砂構内が使えず,北総線の運行は折返し可能な矢切以北で行われることになった。

新柴又に列車を入れることは可能なのだが,いかんせん高砂に入れなければ折り返せない。高砂S/Pで区分しても新柴又を救うことはできないのだ…。新柴又がこういうときに救えないのは北総の欠点といってもいいだろうね。記憶に新しい14年2月の雪害のときもそうだったし,過去には何度も新柴又が憂き目にあっている。

これからシーズンを迎えることになる凍結防止列車も高砂がダメになったときに備えて,矢切で折返してしまう行路がちゃんと存在しているんだけど,最近は新柴又で折返すウルトラCな行路もあるらしい。

なので新柴又に行くのは無理ではないのだけど,それだけのリターンが見込めるのかといえば微妙…。なにせ東京都心への一体運転を見込んでの北総線なのだ。新柴又に行けたところで大多数の旅客は解決しないし,肝心の新柴又だって頑張れば歩ける範囲に他の路線が走る。それは利用者数がなんとなく証明していることだけど,公共性を天秤にかけて是非を問われると悩ましいね。

さて,当日は他者車両を含む数本の車両で往復させていたよう。特に取扱い上の珍しい点はない。いつも通りの対応といったところか。収束時の対応も14年2月の雪害とよく似た対応だった。大まかな流れは後日補完する…予定。

ちなみに北総の話題ではないんだけど,この塩害のせいか,京成車のステンレス車体がサビサビでひどい有様。。それだけの事態だったということだねぇ…

△塩分が付着したまま雨のなかを走った感じかなあ・・・

忘れた頃に整風板が…

7月のよもやまで北総車の空調ネタを扱い,その中で整風板についてかる~~く触れたところだったが,なんと記事にしたことも半ば忘れた10月中旬,7501編成で整風板の取付工事が始まった。

これは空調整備からの冷風吹出し量を客室内で均一化するためのもの。現在の北総車の吹出口は長手方向に2列設けられていて,空調装置から風洞を介して送られた冷風が客室内に吹き出ているのだけど,空調装置の位置などに左右されて意外と場所によって風量が異なる…らしい。実際に測ったわけではないし,基本的にラインデリアによる空気のかき回しがあるので,風量を調整しないといけないほど問題があるのかと言われると正直ようわからんし,なにより他社車両での実績もそう多くない。本当に必要なら各社で展開してるだろうに。

京成車では15年度から導入していて,7月に紹介した7828編成も京成時代に施工されたもの。今回の導入は京成車に遅れること数年というわけだが,なぜこの時期…と言われても予算の都合という感じか。DSR化を除けば大掛かりな工事や取替計画は直近にないだろうし,毎年度の予算の消化具合や将来的な展望を考えると今のうちに色々やりたそうな気はする…。

△7501編成のようす。蛍光灯の内側にあるスリットが吹出口。これを狭めているのが整風板。

施工の内容は京成車と同一で,吹出し穴を狭めた板を吹出口に重ねて取付けていて,7500形では空調装置直下,つまり車両中央部に蛍光灯2本分の長さで取り付けている。

7500形以外では先の7828編成を除いて確認できていないものの,だからといって7500形だけ施工するのでは意味ナシだろう。冷房のオフシーズンの間にぼちぼち各形式で見られるようになるはず。

旅客案内装置更新はじまる

整風板に次いで旅客案内装置にも動きが見られた。

下旬に7308編成の車内案内表示器がLCD化されたのね。詳しい内容は会員向けに記事を書いたのでそちらを参照してちょ。。

△車内案内表示器がLCDになった7308編成

北総車の車内案内表示器は,12年度に導入した9200形を除き,すべて3色LED表示器で統一されていたわけ。これは,05年度の7500形導入時に採用した小糸製の表示器を標準として,他形式の表示器更新時に同等品へのリプレースを図ってきた,という努力の結晶なのだ。

7300形は08年度から10年度,9100形は11年度から14年度にかけて更新していて,最初に更新した7308編成はそろそろ10回目の季節が回ってくる頃合いだった。早いもんだね…。

10年前の時点ですでに3色LED方式の車内案内表示器は古い…といってはなんだけど,首都圏の通勤電車ではLCD方式を採用する新車が増えつつあった手前,当時からちょっと…という雰囲気は少なからずあった。あれから10年である。表示器を10年で換えるのは少し早い気もするが,社会的,技術的な状況を考えれば妥当なところか。オリパラ含めてインバウンド,バリアフリー対応が必要になったこと,技術的には砲弾型LEDの供給の先行き,伝送方式の異なるLCD表示器の導入へのハードルが低くなったこと,北総自体にある程度の余力があることを考えると,LCD化は十分に現実的な選択肢となったのだろうね。

導入されたのは現時点で7308編成のみ。仕様は京成車で3700形を対象に導入を進めているものと同じで,小糸製の19.2形ハーフのカラーLCD表示器(パッとビジョン)を各車に3台設置。奥行等の関係でカモイの筐体ごと取替えているのだけど,編成内の引通しは従来の配線を踏襲しているっぽい。つまりコンパチ,それがウリなのだろう…と思ったら,表示制御器も変えてるんだねえ。京成車でもそうなんだけど,なんだろうね?

△整風板のない7308編成とLCDの組合せはそう長くないのかなー

北総車の車内案内表示器には伝統的なSPCを用いたシステム構成があるんだけど,9200形のときは表示器のI/FがRS-485だったから,各車に変換器が必要だったのね。それでも従来車に変換器を取り付ければLCDにできるよ,という点ではとても柔軟な運用ができたのだけど,カタログを見る限り今回はそれすら要らないっぽい…となれば,だいぶ身軽に更新できるんじゃなかろうか。

つまるところ,9200形を除いて全車がSPCをI/FとするLED表示器を持つ北総車は,予算さえつけばLCD表示器とすることが可能になる。改修費用も圧縮できるので,過去の更新ペース以上に更新できる可能性を秘めているのでは…って感じだ。

オリパラを一つの目標地点としているなら,北総・千葉NT予算の9編成の改修に使える時間は2年を切っている。単純に割っても年間4~5編成は施工しないと間に合わないのだし,改修のスピードは早そうな気がする。。

すっかりキレイになった小室駅

先月のよもやまに書いたように,小室駅のテラゾータイル張替えがいよいよ本格化してきた。西白井,白井とメニューは同じで,ほぼ1ヶ月で張替えてしまう早さは相変わらずだった。

△すっかり明るくなった小室駅コンコース

ごく一部を除き,いよいよ開業時の赤紫色のタイルは見納めになってしまう。このタイル,ずいぶん暗い印象を受けるのだけど,単なる装飾ではなくて,ちゃんと意味がある色だった。

開業時の北総はとにかく合理化・省力化で,駅は遠隔監視を前提に設計していたのだ。で,このときに旅客がはっきり認識できるような床の色,ってことで赤紫色のタイルにしたんだって。遠隔監視の大前提が崩れた今となっては無用の長物,とは言い過ぎだろうけれど,駅のイメージとしては明るい色のほうが断然いいわね。なにより滑りにくいのは実用面でとても優れている。

それはそうと,ここ最近は1期線の駅舎に対する改修が続いてきた。それだけ1期線の駅舎が古くなったということもあるし,ひところまで最低限の手入れしかしていなかったことも要因としてあるだろう。

△2013年5月時点の小室駅改札付近

△広角で撮っちゃったけど現在の同じ場所を望むと…

たとえば小室も13年春の写真と今の写真を比べてみると,ずいぶんと良くなったのではなかろうか。この5年間で壁や天井,そして床を更新しているし,移動円滑化への対応,発車標の設置(増設)…と色々な工事が行われてきた。くたびれていた駅舎は開業40年目の春を前にすっかり綺麗になったと言えよう。

駅舎は車両と同様,旅客の目に一番ふれる「サービス設備」でもあるから,目に見える形で改善していくのは事業者のイメージにもつながるし,効果的なのかもしれないね。

とはいえ,予算の都合もあってか,それぞれの工事がバラバラに施工され,方向性がイマイチそろっていない…そんな箇所が見受けられるのはいささか残念かなあ。

すすむ第5世代サイン化

「もじ鉄」というさわりの良いことばがすっかり流行っているが,北総線のサインシステムを考えると,そのデザインは細々と変わりつづけていて,このサイトでは勝手に第5世代と分類しているのが最新の状態ってわけ。分類の詳細は会員限定だけど資料室に個別ページを作って紹介しているのでそれを参照されたし。

これは13年度末の牧の原公団第2世代サイン取替時から導入されているものだけど,15年度末の日医大更新時にマイナーチェンジされて,ピクトグラムの意匠が変わったのね。それから16年度,17年度と各駅にじわじわ増えて,とりわけ17年度には東松戸管内全駅が第5世代化されている。

17年度の更新メニューはこれまでと少し違っていて,エレベータ周りの装飾が増えたり,意匠も横長の電照サインの上下の色帯がわずかに細くなっていたり,さらなるマイナーチェンジが施された新仕様なのだ。

そして,今年度はすでに松飛台,西白井,千葉ニュータウン中央などでサインの更新が行われていて,このマイナーチェンジ版が東松戸管区外でも見られるようになった。

△西白井に入った第5世代サイン。ピクトグラムが多用されているのが最新版の特徴

注目すべきは千葉ニュータウン中央。
ここは2014年度末に公団第2世代から更新したばかりで,当然第5世代のサインが入っていたのだけど,なんとわずか4年足らずでサインの取替えになってしまった。重大な欠陥があったわけではないけど,JISも変わったし…ってことか。

△2014年度末に公団2G→北総5Gへサイン更新途中の中央駅

△交換されて日の浅いサインまで一新された中央駅。やはり色帯はやや細身

ここまでのところ,千葉ニュータウン中央管区,新鎌ヶ谷管区それぞれで更新していることから,今年度は予算を多めにとって両管区で一気に施工を終える可能性もありそう…?

…という話は別に10月に書く必要はなくて,むしろもっと前にも書けた話だし,もう少し様子を見て書いてもいいんだけどね。。