沿線点描

同人

コミケ90に出ます告知

今年もこの時期がやってきましたよっと。

「この時期」とは一体いつからなのか。当落通知なのかはたまた〆切の頃なのか,思うところは様々ですが,告知が出始める頃も「この時期」って感じですよね。

ということで,またまたやってきた暑い夏に相応しい(涼しく頼むぞ)モタク帰省イヴェント・コミックマーケットの告知をしちゃいましょう。

 

C90_poster

△クリックで微妙に大きくなります

今回のコミックマーケット90では新刊1冊と2種類のグッズを頒布する予定です。いつも通り既刊の頒布予定はありません(そもそも在庫がありません)。当日の頒布物は左のポスターに掲載している3種のみです。どうぞご承知おきを。

お値段は新刊1000円グッズ各500円としております。特に序盤(午前中)に来られる方はお釣りのないようにお願いします。

部数については,新刊を出す度に午前中に完売してしまう状況を鑑み,今回も例年より多めに発注しております。焦らず無理のない参加をお願いします。…と言いたいところですが,今回は色々と読めない要素が多いものですから(テープとか),ご自身の勘と経験を頼りに上手く回って頂ければと思います。戦士の皆様におかれましては「最終日の西ホールも本当に緊張する場面なんだ」と気合を入れて作戦を練って頂きたく。

当日のスペースは3日目(8月14日)の西1ホールよ18aです。お間違えなきよう。画像のポスターをB2サイズでデカデカと掲出する予定ですので,7000形を目印に探していただけると分かりやすいかもしれません。あと,今回は誕生日席みたいですので,混雑時は特に周囲に気を配って滞留しないよう協力くださいまし。同志との歓談は大歓迎ですが,可否は場を見て判断して頂けると助かります。


 

ここからは今回の頒布物を1点ずつ紹介していきますね。

ゆりかごの北総線

C90_yuri_hyoushi_webまずは新刊「ゆりかごの北総線」。昨年発行した「県営鉄道北千葉線本八幡・成田間事業総括(以下,北千葉本)」では,「実現した計画=北総線」の一方で「実現しなかった計画=北千葉線」があるという構図を用いて紹介しました。言い換えれば,北千葉本における北総線とは実現した側であったわけです。しかし,北総線は計画を全て実現させられたわけではありません。「実現した北総線」の中には,計画倒れとなったものや検討段階で凍結されたものなど,様々な「実現しなかった北総線」が含まれています。

今回の新刊はこうした「実現しなかった北総線」の姿を中心に取り上げています。開業前の「ゆりかご」の中で夢見た様々な可能性。現在の北総線はその可能性の一つでしかなく,異なる可能性も数多く存在していたことを幾つかのテーマから紹介します。普段何気なく見ている事物の中に「実現しなかった北総線」の残滓があるかもしれませんし,なぜその事物がその事物であるのかを知ることができるかもしれません。例えば…なぜ北総線の電車は青色なのでしょう。そうした何気ない「当たり前」が「当たり前」になる過程を新刊で紹介しています。

ちなみに新刊のタイトル「ゆりかごの北総線」の由来は,北総開発鉄道の役員であり主任技術者であった黒岩源雄氏の著した「北総開発鉄道の”ゆりかご”から”ひとりだち”まで」という論文にあります。北総開発鉄道株式会社にその黎明期から務めた黒岩氏は,生まれたばかりの北総線が”ゆりかご”の中で多くの関係者から育てられ,無事に開業を迎えて”ひとりだち”していく様を見届けた人物の一人です。そんな彼に敬意を表するとともに,開業前に彼を始めとした様々な人々から可能性を与えられてきた北総線の姿を「ゆりかごの北総線」というタイトルに込めました。ですから,今作で取り上げるもう一つの可能性の存在とは,いずれも開業前に検討されていたものとしています。そして,少しでも夢のある話を選んで掲載しました。夢のない可能性も決して少なくなかった北総線ですが,せめて「ゆりかご」の中では明るい可能性で満たしたかったという私個人の依怙がその理由だったりします。


北総車方向幕テープ

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次はグッズの「北総車方向幕テープ」。見ての通り,北総車で用いられている方向幕を模したテープです。ベースとしたのは現行の側面方向幕で,種別と行先の2種類を用意しています。種別幕は2010年7月に新調されたもので,「快速」「士急行」の表示が追加された全10コマのカラフルなフルカラー仕様です。行先幕は1995年の印西牧の原開業の際に導入され,その後の延伸等による表示追加を経て今も用いられている汎用幕(N133)です。お馴染みの「(千葉ニュータウン)/印旛日本医大/Imba-Nihon-idai」など文字数の多い表示が複数収録されているほか,「金町」「千葉中央」など使用機会のない表示もあり,多彩な表示が楽しめる40コマタイプの行先幕です。

今回のテープはこれら2種類の字幕を書体や配置に至るまで徹底的に再現。例えば,種別幕の「普通/Local」「急行/Express」と「快速/Rapid」は漢字と英字の隙間が異なるのですが,これも忠実に再現。さらに,高精細な印刷により3段表示の細かい行先の文字や種別の色も美しく表現しました。1月の試作段階ではテープの縁に印刷が載せられず白い地色が見えていましたが,改善により縁まで印刷が回るようになり,リアリティが増しました。

テープの幅は種別幕が18mm,行先幕が30mmとしています。実際の字幕はそれぞれ240mmと375mmですので,種別と行先の比率は1:1.56。テープでは実物の比率に極力近くなるように選定し,比率を1:1.67としています。また,長さはいずれも40mと市販のセロハンテープと同等もしくはそれ以上の長さですので,たっぷり使えます。さらに,巻芯径は76mmですから,市販のテープカッターにそのまま装填して使うこともできます。

試作から数ヶ月の検討期間がありましたので,課題だったコストと長さ,縁への印刷のそれぞれをクリアすることができました。クオリティとコストを十分に両立できたオススメの一品です。

京成車種別板シール

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最後は「京成車種別板シール」。かつては3500形以前の各形式で見られ,また,7050形といった北総車の一部でも使われていた,車両前面の種別表示板を再現したシールです。京成車の代名詞的存在であった種別板も現在では3500形未更新車に残るのみとなり,それも風前の灯火といった状況ですが,全盛期を思い起こさせる「特急」や「通勤特急」の表示板は今も車両に装備され続けています。

今回のシールでは,3500形未更新車に現在装備されている5枚10種の板(「普通/臨」「回/試」「特急/急行」「通勤特急/臼井」「小岩/泉岳寺」)の各表示を実物取材により徹底再現しました。例えば,泉岳寺の表示は「大和田」の表示の上にシールを貼っているのですが,その雰囲気を余すことなく表現。さらに,方向板/方向幕に無かった行先を収録した「小岩」等の行先表示板についても,製作時期の違いによって「小岩」は手書き,「臼井」や「泉岳寺」は写植書体と文字の雰囲気が異なっており,これも蒐集した現物から完全再現を試みています。

シールはそれぞれ4cm四方の大きさにカット済みのため,すぐにお好きな場所に貼り付けることができます。プラ板を同寸法でカットして裏表に貼り付けるとプチ種別板を作ることもできますし,使い方は様々だと思います(うまく考えつかなかったときの玉虫色表現例)

 

…といった感じの新刊1冊+グッズ2種を頒布します。いつも通り,商業誌では絶対に得られない「濃さ」と「読み応え」を求め,妥協を許さない高いクオリティで仕上がっていると自負しています。会場では是非お手にとって頂ければと思います。

お値段は前掲の通り,新刊が1000円,グッズが各500円です。お釣りのないようにお願いしますね。

ではでは,いよいよ暑さも極まってきてますが,コミケまであと3週間乗り切っていきましょう。8月14日は西よ18a「高砂第一工廠」でお待ちしております! 楽しい夏コミを!