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北総線沿線活性化トレインの概要(2025年度)
北総線沿線自治体および北総鉄道から構成される「北総線沿線地域活性化協議会(活性協)」の事業として,2025年7月15日から2026年2月末までの約半年にわたり運行される2025年度の広告貸切列車「北総線沿線活性化トレイン(沿線活性化トレイン)」の概要を以下に紹介する。
装飾概要
車両外観
車両正面(ヘッドマーク)
車両正面には運転台下部に円形の「北総線沿線活性化トレイン」ヘッドマークが掲出されている。当年度の装飾車両である9200形電車の正面イラストを中心に,左から時計回りに市川市(市川梨丸),白井市(なし坊),千葉県(チーバくん),印西市(いんザイ君),鎌ケ谷市(かまたん)の各マスコットキャラクターを配置した意匠である(自治体名に続く括弧内はマスコットキャラクターの名称)。基本的な意匠こそ昨年度と同様であるが,当年度は地色が青色から黄色に変更されたほか,細部ではマスコットキャラクターの表情などが異なっている。

△「北総線沿線活性化トレイン2025」車両外観

△「北総線沿線活性化トレイン2025」ヘッドマーク
車両側面(車体広告)
各車両の戸袋部(片側6箇所)に車体広告の装飾が実施されている。沿線活性化トレインにおける車体広告の装飾は昨年度に続くもので,当年度は県および4市による広告と沿線活性化トレインのロゴマークが掲出されている。
当年度の車体広告枠は各市の単独広告を主体として車両単位で割当てられ,京成高砂方を基準として1,6両目(9201-8,9201-3号)を印西市,2,7両目(9201-7,9201-2号)を白井市,3,8両目(9201-6,9201-1号)を鎌ケ谷市,4両目(9201-5号)を市川市が使用している。5両目(9201-4号)は共用車両とされ,県と市川市以外の3市が均等に使用している(海山合計12箇所を各3枠…山側:白井市2枠,印西市2枠,鎌ケ谷市1枠,千葉県1枠,海側:鎌ケ谷市2枠,白井市1枠,印西市1枠,千葉県2枠)。共用車両を除く各市車両における広告枠の内訳は,先頭車では県単独広告1枠,市単独広告4枠,ロゴマーク1枠,中間車では県単独広告1枠,市単独広告5枠である。

△9201-8号:印西市車両

△9201-7号:白井市車両

△9201-6号:鎌ケ谷市車両

△9201-5号:市川市車両

△9201-4号:共用車両

△9201-3号:印西市車両

△9201-2号:白井市車両

△9201-1号:鎌ケ谷市車両
客車内
客車内においては,中吊り,窓上,戸袋の各広告枠に各自治体の広告が掲出されている。各車の広告枠は車体広告と同様に車両単位で各市に割当てられていて,共用車両は県および3市で均等に広告枠を使用している。共用車両の中吊りは京成高砂方から印西市,白井市,鎌ケ谷市,千葉県の順に割当てられ,窓上の各広告枠は南端(京成高砂方)から車両中央部までの海側を白井市,同じく山側を印西市,車両中央部から第3ドアまでを鎌ケ谷市,第3ドアから北端(印旛日本医大方)までを千葉県が使用している。このほか,側窓には標準の交通広告枠とは別枠で大型のステッカー広告が掲出され,北総鉄道および活性協が単独広告枠として使用している。
なお,妻面や側引戸,非常コック横,側窓のステッカー広告枠は広告貸切の対象外とされ,他車と同じ交通広告が引続き掲出されている。

△「北総線沿線活性化トレイン2025」車内(千葉県広告箇所)

△「北総線沿線活性化トレイン2025」車内(市川市車両)

△「北総線沿線活性化トレイン2025」車内(鎌ケ谷市車両)

△「北総線沿線活性化トレイン2025」車内(白井市車両)

△「北総線沿線活性化トレイン2025」車内(印西市車両)

△「北総線沿線活性化トレイン2025」車内(共用車両)
掲出広告の概要
市川市
車体広告
市川市の車体広告はレタリングを避けた中サイズ2種の設定で,「いちかわ魅力いっぱい」をキャッチコピーとして,市川市動植物園の動物たちをモチーフとしたキャラクターが市川市民納涼花火大会および市川市動植物園をPRしている。いずれも車両の窓を模した枠が外縁部に描かれており,市川市動植物園の広告については動物たちが窓から顔を覗かせる意匠である。
車内広告
市川市動植物園の動物たちをモチーフとしたキャラクターが文化や自然,市川市動植物園をはじめとした各種施設などの市の魅力を伝える内容で,各自治体で最も多い12種類の広告が展開されている。
鎌ケ谷市
車体広告
鎌ケ谷市の車体広告は,市のマスコットキャラクター「かまたん」を起用した中サイズ2種が設定されている。いずれもイラストや文字の周囲で裁ち落とされた変形広告で,鉄道による交通アクセスの良さや,プロ野球チーム・北海道日本ハムファイターズの二軍本拠地「ファイターズ鎌ケ谷スタジアム」をPRする内容である。
車内広告
鉄道による交通アクセスの良さをはじめ,梨に代表される果樹栽培,プロ野球チーム・北海道日本ハムファイターズ等と連携したスポーツによる地域活性化の取組みなど,市の魅力や施策を紹介する広告8種類が展開されている。
白井市
車体広告
白井市の車体広告は,市のマスコットキャラクター「なし坊」ファミリーを起用した中サイズ2種が設定されている。市川市と同様に車両の窓を模した枠が外縁部に描かれており,北総鉄道の制帽を被った「なし坊」(向かって右側用)と「かおり」(なし坊の妹・同左側用)がそれぞれ「かけこみ乗車はおやめください。」などの案内をしている意匠である。
車内広告
「それが、しろい。」をキャッチコピーとして,自然あふれる住環境をはじめ,白井市文化センターのプラネタリウムに代表される各種施設など,市の魅力を紹介する広告8種類が設定されている。
印西市
車体広告
印西市の車体広告は,「みらい輝くいんざい」および「自然あふれるいんざい」をキャッチコピーとした中サイズ2種が設定されている。前者は千葉ニュータウン中央駅前で行われているイルミネーションイベント「イルミライ★INZAI」,後者は市の花であるコスモスの咲く牧の原公園の写真が使用されている。
車内広告
「みらいシティINZAI」をキャッチコピーとして,公共施設や商業施設,教育など市の充実した環境の紹介のほか,北総鉄道の協力する運転体験などを返礼品とした市のふるさと納税を紹介する広告8種類が展開されている。
千葉県
車体広告
全国一の生産量を誇る醤油やみりんをはじめ,酪農や酒造などの発酵技術を活用した生産が県下で盛んであることから,「発酵県ちば」をキャッチコピーとした広告が展開されている。当年度の車体広告では唯一の大サイズだが,優先席のレタリングと重複する共用車両の海側1箇所のみ中サイズが使用されている。
車内広告
移住促進や観光振興等に関する広告8種が展開されている。「あなたのラブちば教えてキャンペーン」,「ちばらしい暮らし」,「ちば観光ナビ」はワイド広告,その他は単独広告である。
活性協・北総鉄道
車体広告
両先頭車両の車椅子スペース表記下にヘッドマーク同様の意匠で沿線活性化トレインのロゴマークが小サイズ広告として掲出されている。
車内広告
活性協および北総鉄道によって,各車両の側窓に標準のステッカー広告とは別枠の大型ステッカー広告各1種類が展開されている。大型ステッカー広告は昨年度まで北総鉄道の単独広告枠としてのみ使用されていたが,当年度は活性協にも割当てられている。当年度の大型ステッカー広告は各車両のドア間にのみ掲出され,北総鉄道および活性協が各車両3枠ずつ使用している。
活性協の広告は,昨年度および2022年度に車体広告として展開されていた,県および沿線6市と北総線や直通先の主要駅を地図上に示した意匠のものである。北総鉄道の広告は,北総鉄道の運営するウェブサイト「ディスカバリーほくそう」や公式SNSアカウントを紹介する内容である。