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北総線沿線活性化トレインの概要(2024年度)
北総線沿線自治体及び北総鉄道から構成される「北総線沿線地域活性化協議会(活性協)」の事業として,2024年7月31日から2025年1月末までの約半年にわたり運行される2024年度の広告貸切列車「北総線沿線活性化トレイン(沿線活性化トレイン)」の概要を以下に紹介する。
装飾概要
車両外観
車両正面(ヘッドマーク)
車両正面には運転台下部に円形の「北総線沿線活性化トレイン」ヘッドマークが掲出されている。当年度の装飾車両である9200形電車を中心に,左から時計回りに市川市(市川梨丸),白井市(なし坊),千葉県(チーバくん),印西市(いんザイ君),鎌ケ谷市(かまたん)の各マスコットキャラクターを配置した意匠である(自治体名に続く括弧内はマスコットキャラクターの名称)。
車両側面(車体広告)
各車両の戸袋部6箇所に車体広告の装飾が実施されている。沿線活性化トレインにおける車体広告の装飾は2022年度以来2年ぶりで,当年度は県及び4市と活性協の広告が掲出されている。
当年度の車体広告枠は各市の単独広告を主体として車両単位で割当てられ,京成高砂方を基準として1,6両目(9201-8,9201-3号)を印西市,2,7両目(9201-7,9201-2号)を白井市,3,8両目(9201-6,9201-1号)を鎌ケ谷市,4両目(9201-5号)を市川市が使用している。5両目(9201-4号)は県及び4市の共用車両とされ,全6枠の広告枠を県2枠と各市1枠に分けて使用している。共用車両を除く各市車両における広告枠の内訳は,先頭車では県単独広告1枠,市単独広告4枠,活性協単独広告1枠,中間車では県単独広告1枠,市単独広告5枠である。
客車内
客車内においては,中吊り,窓上,戸袋の各広告枠に各自治体の広告が掲出されている。共用車両を除く各車の広告枠は,車体広告と同様に車両単位で各市に割当てられている。共用車両については,中吊りと窓上の各広告枠のうち,南端(京成高砂方)の海側は白井市,同じく山側は印西市,車両中央部の海側は市川市,山側は鎌ケ谷市,戸袋については各1枠を4市,残りを千葉県で使用している。また,各車両とも昨年度までと同様に北端(日医大方)は千葉県の広告範囲である。このほか,側窓には標準の交通広告枠とは別枠で大型のステッカー広告が掲出され,北総鉄道の単独広告に使用されている。
なお,妻面や側引戸,非常コック横,側窓のステッカー広告枠は広告貸切の対象外とされ,他車と同じ交通広告が引続き掲出されている。
掲出広告の概要
市川市
車体広告
市川市の車体広告はレタリングを避けた中サイズ2種のみの設定で,市川市動植物園の動物たちをモチーフとしたキャラクターが市制施行90周年及び市川市動植物園をPRしている。いずれも車両の窓を模した枠が外縁部に描かれており,市川市動植物園の広告については動物たちが窓から顔を覗かせる意匠である。
車内広告
「動物園で“推し活”始めませんか」をキャッチコピーとして,市川市動植物園で飼育されている動物をあしらった広告12種が展開されている。市川市動植物園の最寄駅である大町駅からのアクセスについては「走って10分」とユーモアを交えた案内がなされている。なお,戸袋用をはじめとする一部の広告には市川市動植物園公式ウェブサイトの飼育日誌にアクセスできるQRコードが記されている。
鎌ケ谷市
車体広告
#2ドア戸袋部に掲出される大サイズと,#1及び#3ドア戸袋部に掲出される中サイズの計2種がある。大サイズは市のマスコットキャラクター「かまたん」が「いいね」している意匠,中サイズはプロ野球チーム・北海道日本ハムファイターズの二軍本拠地「ファイターズ鎌ケ谷スタジアム」のロゴマークを中央に据え,同チームのファーム専属マスコットキャラクター「C・B」や「かまたん」,市の特産品である梨などが描かれている。
車内広告
「育つまち鎌ケ谷」をキャッチコピーとして,特産品や行事,交通結節点としての利便性といった市の魅力を紹介する広告8種が展開されている。プロ野球チーム・北海道日本ハムファイターズの二軍本拠地「ファイターズ鎌ケ谷スタジアム」の広告はワイド広告,その他は単独広告である。「かまがやのおもて梨」広告には市内在住のイラストレーター・グラハム子氏による市域のイラストが描かれていて,イラスト内の数ヶ所に描かれたマスコットキャラクター「かまたん」を探すゲーム性のある内容とされている。イラスト内の「かまたん」の数は鎌ケ谷市公式ウェブサイトで答え合わせが可能である。
白井市
車体広告
白井市も#2ドア戸袋部に掲出される大サイズと,#1及び#3ドア戸袋部に掲出される中サイズの計2種が展開されている。大サイズは市川市同様に車両の窓を模した枠からマスコットキャラクター「なし坊」,「かおり」兄妹が顔を覗かせている意匠,中サイズは「なし坊」をはじめとする「なし坊ファミリー」とともに市の総合計画・第5次総合計画基本構想に掲げられた将来像「ときめきと みどりあふれる快活都市」のスローガンが示されている。
車内広告
「いいトコもりだくさん それが、しろい。」をキャッチコピーとして,住環境や特産品,各種施設といった市の魅力を紹介する広告で表現されている。戸袋用の単独広告と中吊り用のワイド広告の2種類のみの展開である。中吊り広告には沿線活性化トレインの広告に関するアンケート回答用のQRコードが記されている。
印西市
車体広告
印西市も#2ドア戸袋部に掲出される大サイズと,#1及び#3ドア戸袋部に掲出される中サイズの計2種が展開されている。車内広告と同様に「No.1シティ」を謳うテーマ広告であり,いずれも「住みよさNo.1シティ印西市」をキャッチコピーに,大サイズには印旛日本医大駅,中サイズには吉高の大桜が背景に描かれている。
車内広告
昨年度に引続き「No.1シティ」として市の優位性や魅力を謳うテーマ別広告が展開されている。広告は「自然と都市の調和」と「住みよさ」で各1種,「便利さ」,「幸せ」,「全世代安心」で各2種の計8種類あり,「自然と都市の調和」と「住みよさ」は戸袋に,その他は中吊りに使用されている。中吊りは同種テーマで組まれての掲出である。
千葉県
車体広告
各車両に掲出される大サイズと,共用車両の優先席表記下に掲出される中サイズの計2種が展開されている。いずれもマスコットキャラクター「チーバくん」を正面から見た意匠である。
車内広告
移住促進や観光振興等に関する広告8種が展開されている。「あなたのラブちば教えてキャンペーン」と「ちばらしい暮らし」はワイド広告,その他は単独広告である。
活性協
車体広告
活性協の車体広告は両先頭車の車椅子スペース表記下に配置される小サイズ1種のみである。活性協を構成する県及び沿線6市と北総線や直通先の主要駅を地図上に示した意匠で,北総線沿線の利便性を示している。2022年度の沿線活性化トレインとほぼ同様の意匠であるが,羽田空港及び成田空港にアイコン(飛行機マーク)表記が追加されているほか,千葉ニュータウン中央駅から日本橋駅へ向かう矢印が省略されているといった若干の変更点がある。
北総鉄道
車内広告
各車両の側窓に標準のステッカー広告とは別枠で大型ステッカー広告2種が展開されている。北総鉄道の運営するウェブサイト「ディスカバリーほくそう」や公式SNSアカウントを紹介する内容である。掲出枠は各車両片側あたり2~3枠で,車両によっては優先席を含む連妻寄りの側窓にもステッカー広告が掲出されている。