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2023年11月北総線ダイヤ改正
かねてより告知されていた今年度の北総線ダイヤ改正が11月25日付で実施され,区間列車の矢切発着化などを盛り込んだNo.119ダイヤが同日より施行された。今回のダイヤ改正における北総線沿線の様子を以下に紹介する。
※車両走行キロや車両運用表等のダイヤ関係資料については,資料室輸送系インデックスから当該ページを参照されたい。
区間列車の矢切発着への延長
これまで新鎌ヶ谷発着だった区間列車のうち平日2往復,土休日6往復が矢切発着に延長された。土休日の区間列車は北総所属車両のみ使用されるが,平日は東京都所属車両で運転される列車もある。異常時等では運転実績があるものの,東京都所属車両による矢切行の定期営業列車が設定されるのは初めてである。このほかにも今回の区間列車では初設定となる事柄が複数あり,たとえば矢切始発の印西牧の原行や途中駅で待避のある矢切行などは定期営業列車として初めての設定である。
矢切での区間列車の折返しはITVのある1番線に限定され,発車標に誤乗防止の案内文を流している。案内文はホームで流れることを前提とした内容だが,仕様上コンコースでも同じ文章が流れる。改正当日には整備されていなかったが,誤乗防止やホーム案内の掲示物が発車標下部に追加されている。
上り特急列車に羽田空港行を設定
平日朝の上り特急列車は2001年9月の運転開始から長らく5本とも西馬込行だったが,今回の改正で4本目が羽田空港行に変更された。あくまで前後列車の車両運用の都合のようだが,初めて西馬込行以外の上り特急列車が設定されたことになる。もっとも他社線内では日常的に見られる列車で,珍しいのは北総線内で走るということだけ。
京浜急行線におけるエ急行の急行への改称
京浜急行線では改正にあわせて種別名称の見直しが図られ,2010年5月から運行されてきたエ急行が急行に改称された。北総線直通列車におけるエ急行はこれまで主として朝晩に運転されていて,改正後も停車駅や運転時間帯に変更はない。
北総所属車両においては,京浜急行線内を急行設定で運転した際に車内案内表示器が動作しないことが判明している。設定器及び行先種別表示器は正しく動作していることから,LCD式の車内案内表示器における京浜急行線内急行の運行データ(表示指令情報)が未整備であることが原因とみられる。改正日時点ではエ急行設定で運転されている列車もあり,すなわち改正日までに改修できていない北総所属車両については前述の状態を見越して意図的にエ急行で引続き設定するよう運用面でのカバーが行われているものと推察される。余談だが,13年前のエ急行の運転開始当初においても北総所属車両は種別追加が間に合っておらず,しばらく急行表示で走っていた。今回も13年前を彷彿とさせる状況にある。
掲示物
ダイヤ改正の告知ポスターについては,各駅及び車両にB3カラー版のポスターが掲出された。告知された改正の要点は,区間列車の矢切発着化と新鎌ヶ谷駅停車のスカイライナー増便の2点である。車両については側カモイの車額などこれまで活用されてこなかった場所にも掲出された。ちなみに北総所属車両を並べた写真は昨年度6月に実施された京成トラベルサービス主催の撮影会のもので,7300形と7800形の行先表示が「矢切」に合成加工されている。
一方でダイヤ改正に伴う時刻表等の貼替については,路線図や所要時間表はそのままに時刻表のみが変更された。前述のように京浜急行線で種別改称が行われているが,路線図に残るエ急行は改正日時点で特に何も施されていない。また,所要時間表にはエ急行の記載がないため対策不要とされている模様。時刻表は2022年2月施行のNo.118ダイヤで見られた自社作成品に戻った。書体や体裁はNo.118ダイヤの際と同様である。