沿線点描

同人

2019年冬の新刊告知

すっかり寒くなってきました。第3四半期らしく各方面で様々な動きがあり,寒さに負けないホットな話題に追われる感じがまさに年末という感じですネ。

年賀状やら忘年会やら今冬もみなさま思い思いの年末を過ごされていることかと思いますが,冬でもアツいモタキ帰省イヴェント・コミックマーケットを念頭に新刊の告知をお届けしますよ。

はてさて,今冬の新刊はなんと2種類。ひとつは年間を通じて追い続けた北総線の今を描き出す『北総線研究2018-2019』,もうひとつは最新の「直通車両規格」を紹介する『新・いまさら訊けない 一号線・新京成直通車両規格2019』ということで,何年ぶりかのダブル新刊で臨みます。いつもどおり既刊は持ち込みませんので,頒布物は2種類ということでどうぞよしなに。

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そして今冬は頒布日も2日間に増えております。12月30日と31日の連チャンです。ただし30日は大崎ですのでお間違えなきよう。31日はコミケでの頒布になりますが,友人のサークルに委託という形になります。両日とも新刊2種類を頒布しますので,どちらかご都合の良い日にお越し下さればと思います。

頒価は『北総線研究』2,000円『直通車両規格』1,000円を予定しています。いつものお願いですが,開場直後にお求めの方は極力お釣りのないようにお願いします。また,小銭を利用される方は極力数えやすい組合せとなるようにご配慮頂けますと助かります。

頒布数につきましては毎回の状況を鑑みて設定しておりますが,戦士の皆様におかれましてもご自身の経験と勘を駆使して上手く回って頂ければと思います。今回は大崎でも頒布しますので,大崎を活用するのも手かと思います。例年通りであれば両日とも寒い中の開催になると思いますから,無理はせず,徹夜もせず,指示を守って楽しくお越しくださいまし。

頒布箇所

おもしろ同人誌バザール大崎8

大崎での頒布については,JR大崎駅南口を出たところが会場になります。スペースは当日の状況次第になりますのでご承知おきください。

即売会自体はコミケと連動していますが,コミケ鉄道島の4日目(12/31)ではなく3日目(12/30)の出展になりますのでお間違えなきよう。

コミックマーケット97

コミケでの頒布については,4日目(12/31)西う01a「みさきラボ.」さんに委託となります。京急電車の車両運用本でおなじみのサークルさんです。

いつものお願いですが,当日は周囲の状況に気を配り,混雑時のスペース周辺での長時間の滞留や歓談はご遠慮くださいませ。暇なときはとことん暇なので,状況を見て歓談して頂ければと思います。

新刊紹介

北総線研究2018-2019

今年も北総線ではたくさんの出来事がありました。皆様はどのような出来事が印象的だったでしょうか。ウェブサイト「高砂第一工廠」でも多くの話題を取り上げました。どれが一番ということはありませんが,どの出来事も鮮明に印象づけられました。

ところで,ウェブサイト「高砂第一工廠」で取り上げている北総線の様々な話題について,もっと知りたいと思ったことはありませんか。それもそのはず,それぞれの事象を紹介しているだけなのですから。事象の根幹となる施策にはどのような意図があるのか,「なぜ」「どうして」という疑問が浮かぶのは当然のことと思います。もちろん,ウェブサイト「高砂第一工廠」には会員登録することで多くの記事や資料にアクセスできますが,もっと体系的に北総線を知りたいと思っている方もいることと思います。

本書『北総線研究2018-2019』は,サークル「高砂第一工廠」が年間を通じて研究してきた内容をまとめたものです。馴染みのない方でも読めるように冒頭で北総線を体系的に紹介。その上で昨年度の動静をはじめ,主要な施策の進捗についての評価や,設備の現状把握のために毎年度実施している現地調査結果を紹介など,まさしく北総線の今を知る上で欠かせない一冊になっています。本書に収録した対象期間は2018年7月から2019年6月ですが,今後も継続的に執筆することで北総線の変わりゆく様子が蓄積されるでしょう。その最初の一歩として,今回の『北総線研究2018-2019』を執筆した次第であります。

ある人には日常の一部として,ある人には思い出に残る旅の一部として,40年の長きにわたって私たちの足となってきた北総線。そこに不変の安全があることは言うまでもありません。しかし,不変の安全と信頼を守り続けるには,常に「変わり続ける」必要があるのです。ある時はより安全な設備に更新したり,またある時は危険を未然に防げるような設備を新たに設けたり。変わらぬ日常の裏側には,今の日常より良い日常を作ろうとする努力が存在しています。その努力はときに事象として顕現することもありますが,多くは誰も気づきません。気づいた事象の「点」を施策と絡めて「線」に変えることで,新たな視点で北総線を見つめることができるのです。

沿線に風光明媚な観光地があるわけでもなく,華々しさとは無縁に地道な通勤路線としての役割を全うする北総線ですが,日々の取組みを知った上で改めて見つめると新たな魅力に気付かされます。本書が北総線の今を知り,北総線の新たな表情に気づくきっかけになればと思います。

新・いまさら訊けない 一号線・新京成直通車両規格2019

「直通車両規格」をご存知ですか?

ここでいう直通車両規格とは,都営浅草線を中心とした直通運転系統:一号線において用いられる直通運転用車両の基本的な仕様を定めた共通規格のことを指します。すなわち,北総,京成,都交,京急,芝山の各社局における直通運転車両に欠かせない「きまりごと」のひとつと言い換えることができます。直通運転や車両に興味関心のある趣味者にとって,直通車両規格を理解することは基礎的な事柄なのです。ちなみに,京成・新京成間の直通運転においても直通車両規格が別途定められています。

ところが,直通車両規格を知ろうにもなかなか都合の良い解説書がありません。幸いにも一号線は大都市における地下鉄と郊外私鉄の直通運転の嚆矢といえる存在で,その歴史的意義から直通運転規格に言及する文献もありました。規格の存在が認知されているだけでも幸いなところですが,現在の規格についてはこれまで言及されてこなかったのです。そこで執筆したのが拙作『いまさら訊けない一号線・新京成直通車両規格』でした。

早いもので,そんな拙作『いまさら訊けない一号線・新京成直通車両規格』の頒布から丸2年以上の時間が流れました。まさに日進月歩という言葉のとおり,一号線各社局や新京成線では2年の間に多くの変化がありました。きっと皆様の頭の中には思い当たる変化が浮かんでいることでしょう。そのなかには車両に関する事象も少なからずあることと思います。京成3100形や新京成80000形,都交5500形といった新たな顔ぶれ…INTEROSのような新技術の導入…まさに私達は新たな時代の入口に立っているのです。

冒頭の質問は2年前にも同様の問いかけをしました。当時「名前だけは知っている」「聞いたことはある」「よく知らない」…様々な回答がありました。きっと今も同様に十人十色の回答があることと思いますが,なかには拙作を読んで知ったという回答もあることと思います。しかし,新たな技術が導入されつつある一号線と新京成において,その認識は今のままで良いのでしょうか。言い換えれば,従前の規格のまま新たな技術が一号線や新京成に根付くことはできるのでしょうか。

新たな技術を導入するには,それを受け容れられる環境をつくることが第一歩となります。直通車両規格が直通運転に係る「きまりごと」である以上,それに規定されていなかったり,規定から外れるような技術を導入するには,「きまりごと」を時宜を得て変える必要があります。規格の見直しは新技術の導入に必要な「環境づくり」であり,新たな可能性を生み出す第一歩なのです。

では,この2年間で規格の何が変わったのでしょう。なぜ変える必要があったのでしょう。だからこそもう一度問うたのです。「直通車両規格」をご存知ですか,と。

 

ということで冬の新刊告知をお送りしました。今回も濃くて読み応えのある本を目指して書きましたので,会場で見かけた際はぜひお手にとって頂ければと思います。

年度末に向けて忙しくなる時期ではありますが,体調には気をつけて会場でお会いしましょう。12月30日と31日,両日とも会場でお待ちしております! 楽しい冬を!