北総線よもやま話1908

投稿:2019-09-01/カテゴリ: よもやま話

2019年8月の北総線よもやま話。このよもやま話は将来的に四季報として纏めていく前段階の落書きコーナー。

営業:夏の増収施策あれこれ

お盆という多客期を抱える8月は増収の季節。効果的な営業施策の投入で増収に繋げていきたい…という事業者の気持ちが見え隠れする季節でもあるね。

とはいえ,北総沿線ってのは色気もへったくれもないベッドタウンばかり。なかなか観光とかで儲けるには難しい土地柄なのは言うまでもない。それでも過去には「そっち」に色気を出そうとしたこともあるらしい。銚子電鉄がぬれ煎餅で稼いでいるのに注目して「梨」を利用した名産品を…とか考えていたそうな。実際に商品は試作されて,商事会社の検討もしていたというのだから,ひと昔前の北総って面白い会社だよね。もちろん,いま世の中に何も出回っていないあたり,その後の顛末はお察しの通りボツ。

ポスターの「生徒応援!」にかつての名残を感じる夏の1日券

△ポスターの「生徒応援!」にかつての名残を感じる夏の1日券

はてさて,北総線における夏の営業施策の要のひとつは企画乗車券だった。春,秋,冬にも1日乗車券を展開しているのだけど,夏は一味違っているのね。なにせ児童と生徒しか買えないのだから。今年も彼らの夏休みにあわせ,7月20日から9月1日までの期間で1日乗車券が発売されている。最近は1日券の期間短縮がしれっと進んでいるけど,これは彼らの夏休み期間そのものが短くならない限りこのままか。最近は短くなっている学校もあるみたいだけど,北総が期間短縮するほどの普及率じゃないのかね。

この1日券,もとを辿ると1998年度に遡る。中高生を対象として,西白井以北…すなわち千葉ニュータウン区間の各駅から東松戸もしくは京成高砂までの運賃が半額となる3往復分の乗車券「生徒諸君!夏休みきっぷ」として発売された。発案したのは,このウェブサイトでも何度か名前を出している社内組織「増収対策委員会」。3往復分となっていたのは,友人たちとグループで利用できるように…という配慮からだそう。

小学生用の登場は中高生用からやや遅れた2001年度のことで,「夏休み親子ッ子きっぷ」として発売開始した。利用区間の設定は中高生用と同じで,こちらは親子で使えるように大人1人分の運賃で小学生2人まで無料で同行できるという設定になっていたのね。

いずれの乗車券もけっこう利用者は多かったようで,すこしデータは古いのだけど,それぞれ1シーズン8000人前後という成績になっていたそうな。いまでは単なる1日乗車券になってしまったので,あの独特なネーミングも聞かなくなった。区間に縛られず柔軟に使えるようになった反面で,「仲間で」「親子で」という当初の利用を考えると割高な感じもする。利用者層は数年で入れ替わっちゃうけど,今の利用者にはどっちが良いんだろうか。

「前回とは絵柄が違う」なんて親切な?掲示が光る松飛台

△「前回とは絵柄が違う」なんて親切な?掲示が光る松飛台

そして,8月10日から開業40周年記念乗車券の「第2弾」が発売された。シリーズ展開とかパスネットかよ…というツッコミは野暮だね。なにせ最近は記念乗車券を出しても芳しくない売れ行きだった様子だけど,40周年記念は約2ヶ月で完売を達成している好調ぶり。売れるものは売っておきたいというところか。

営業的な色気は別にして,内容構成を淡々と見れば前回の「第1弾」とほぼ同様。写真のみ差し替えられているが,初出とみられるものは約半数といったところ。むしろ気になるのは発売日で,前回は第1期区間の開業日にあわせた3月9日,今回の8月10日には何の意味があるんじゃろか。。と思って手元の資料と記憶を辿るも,1980年8月10日に7000形車両のローレル賞受賞式典を実施したということくらいしか思い当たらず。ほんとはもっと大事なことがあった日なのかもしれないし,社内の稟議とかスケジュール上偶然8月10日になっただけで特に意味とかないよって話かもしれないし。なぞ。

運転:3100形いよいよ北総線へ

「北総線へ」とか書いておきながら実態としては京成成田空港線。

設備的には北総線なので一応取り上げておくと,先月末に宗吾区へ搬入された3152編成が31日終車後に23K運行でアクセス線高砂~成田空港間の試運転に臨んだ。誘導障害試験などは例に漏れず宗吾区内で8月中せこせことやっていたよう。庫内の試験だけでは分からないような試験…ということで3・6号車にPQ輪軸をつけて試運転に臨んでいた。つまりPQ測定ということだね。ちなみに31日は本線上での自走が解禁になった最初のタイミングで,いわば初の本線自走。

寝静まった牧の原を上っていく122K:3152

△寝静まった牧の原を上っていく122K:3152

試運転自体は宗吾参道を出て成田空港から高砂に上り,折り返して成田空港経由で宗吾参道に戻るだけ。折り返してきた時間からして,北総線内は日医大以外に停まらざるを得ない駅がないこともあって全駅爆走していたよう。

いつもはホームに据え付けたままの停泊車は追いやられて引上線に…

△いつもはホームに据え付けたままの停泊車は追いやられて引上線に…

3100形自体は営業運転を始めればいくらでもアクセス線を走るだろうけど,夜間滞泊の車を横目にぶっ飛ばすのは今回くらいかなあ…。

運転:10.26ダイ改へ…

北総としての公式発表はまだみたいだけど,すでに京成等他社において今年度のダイヤ改正が10/26に行われる旨の発表があった。

他社から出ている現時点の情報だけなので北総線内の詳細は不明なものの,ライナー増発により少なからず北総線列車に影響が出るのは確実。待避による北総線列車の所要時間増は避けられないし,北総沿線にどれだけメリットがあるかといえば…う~ん。北総線内の影響を考えると次こそ「改正」規模になりそうだけど,これもまだ書けるだけの発表なし。

これに関連してか,先月末からアクセス線列車で妙な動きが出ている。簡単に言えば乗務員室の人口密度が高い。雰囲気からして乗務員養成なのだけど,ありがちな「師弟」という感じではないし,なにより養成中の列車だらけ。通常の乗務員養成とは状況が違っているのはなんとな~く察せられる。

アクセス線…というか京成の事情はあまり深く考えてないのだけど,ライナーの完全20分間隔化が実現すれば単純に増発となるわけで,乗務員行路だって影響してくるわけだね。現状アクセス線は専用の乗務員を持っていて,当然その数は少ないから増発するには乗務員を増やさざるを得ないってわけだ。それにしても,増発だけでこれだけ大量に養成しないといけない理由はなかろう。いっそ壁を取り払って両線で乗務員を共通化してしまうとか,ダイヤ改正でそんな感じの大きな動きがあると思うなあ。

ちなみにダイヤ改正合わせで導入されるAE9編成は8月27日未明から各日2両を越谷より印旛へ陸送搬入。いまさら自走できない車両でもあるまいし,来月にはしれっと宗吾に回送されるとみていいだろうね。

車両:「ようやく」な9100形

車両に限らず8月は全体的に件名が少なくて上期の平和な感じが味わえたのだけど,平和すぎて忘れそうになってた件名でいくつか進捗があったので紹介してみよう。

そのひとつが9100形。昨年度末に9106号車の旧・公衆電話スペースの仕切ガラスが破損?して外されたまま運用されていた件が「ようやく」解決。実車を見るまですっかり忘れてた。

ガラスが外される前とどこが違うでしょう問題

△ガラスが外される前とどこが違うでしょう問題

交換されたガラス自体は以前と同じでやや暗めの着色ガラス。変わった点といえば,連妻掲示用のシール広告をガラス面ではなく化粧板に直接貼っている点。ここは公衆電話があった関係でガラス面に貼っていたのだけど,ガラスなし運用が長期化していたことで他車と同じく連妻側の化粧板に掲示していたのね。本質的には公衆電話と干渉するからガラスに貼っていただけなので,いまとなってはガラスだろうと妻面だろうと関係ないといえばそのとおり。

車両:「ようやく」な7800形

そして7800形でも「ようやく」な話題があった。4月の全般検査にあわせて施工された7828編成の自動放送装置が月末からようやく使用開始になったのだ。

どれだけの人が気づいていたかはともかく,7828編成の自動放送装置は8月まで実に4ヶ月間にわたってただの死重だった。かざり。4月に出場してきた時点で早速使い始めるのかと思いきや,一向に使う気配がなく,それどころか変換器には「使用不可」なんてテプラが貼られてしまう始末。よほど前世の行いが悪かったとみた(?

ただの箱として4ヶ月鎮座していた自動放送変換器

△ただの箱として4ヶ月鎮座していた自動放送変換器

ちなみに7800形といえば,先月21日から宗吾に入場していた7808編成がDSR準備工事を終えて10日に戻ってきた。施工内容は7818編成とほぼ同じだけど,製造年次に起因した乗務員室の艤装の違いによる差というのは当然あるわけで,両編成が完全に同じ工事を受けたわけではない。

7800形は京成資産の貸借車として京成名義で施工しているようだけど,前後で空調整備とか定例の保守業務もやっているようね。どうせなら一緒に色々やっておいたほうが車両運用も効率的に回せるんだろう。その日数を差し引いたところで7800形の準備工事にかかる日数は7500形や9200形より若干長い感じ。7500形や9200形は約2週間で完了していたけど,7800形は約3週間かかっていることになる。作業量の差ということか。

このほか8月には9201編成の輪軸交換もあった。こちらは12日の61N運行で試運転を実施。空調整備は一段落している感じだけど,例年に比べて未施工車が多いため下期もちらほら入場しそうね。

電力:変電所トラブルで輸送障害

6日朝に発生した京成線内の輸送障害に関連する?しない?おはなし…。京成線内の障害については公式に発表されたとおり,青砥変電所の障害によるものだそうな。当日の状況を伝え聞く限り,北総線は高砂SPを活用して矢切以北の折返し運転として,京成線内の再開によって高砂折返しを始めたみたい。

気になるのは一部の報道において,「松戸市内の変電所」とするものがあったこと。ほかにも「2つの変電所で送電できず」という報道もあって,いずれも警視庁等が情報源みたい。仮に複数の変電所で障害があったとすると,一方は公式で発表している青砥,では他方は…こちらが「松戸市内の変電所」なんだろう。ただ,京成の変電所は日暮里,南綾瀬,青砥,国府台,東中山・・と配置されているので,松戸市内に京成管理の変電所は存在しないのね。

紙敷変電所

△紙敷変電所

報道のなかで「松戸市内の変電所」として出てきたのは,北総の変電所なのだ。北総の変電所は起点方から順に矢切,紙敷,鎌ケ谷,白井,船尾,草深と6箇所あって,松戸市内にあるのは矢切と紙敷の2箇所。高砂SPを挟んで京成と隣接しているのは矢切変電所なのだけど,報道で出てきたのは紙敷変電所だった。

当日の紙敷の事象については不明点が多い。青砥の影に隠れてしまったこともあるけど,京成としては自社の設備ではないから発表に含めていないし,北総も発表していない。伝え聞く範囲では,復電は早かったようだけど東松戸~白井間で停電が発生したよう。鎌ケ谷など他の様子も気になるし,なぜ矢切ではなかったのかも気になる。

いつもながらこのウェブサイトはシロートが好き勝手に書いているので,電力畑はよくわかっていない。しかし,色々な人と話すかぎり,「松戸市内の変電所」で障害はあったのか,それは青砥変電所と関係する障害なのか,「松戸市内の変電所」は紙敷変電所なのか,なぜ紙敷変電所だったのか…等々,本件障害はどうもいまいち釈然としないのだなあ。

施設:施設件名あれこれ

施設関係も8月はあまり目立った話題がなかった…のだけど,いくつか話題を拾って書いてみようね。

これで北国分とわかる人はすごい

△これで北国分とわかる人はすごい

先月から施工している北国分の外壁修繕。相変わらず足場に覆われているので分かりづらいのだけど,海側にあった駅名表示が外されている。単に外壁を直すために一時的に外した可能性もあるものの,近年の施策として電照文字へのリニューアルが進んでいるため,北国分も電照文字になる可能性ありって感じか。

ちなみに北総が近年採用している電照文字というのは,特殊なフィルムを使用していて,日中(照明を切っている状態)はフィルムの地色として黒文字に,夜間(照明を点けている状態)は照明の光がフィルムを透過して白文字になる…というもの。2期線では新柴又,東松戸なんかがこの電照文字に切り替えられている。

旧・西口側のタイルはどうするんだろうね

△旧・西口側のタイルはどうするんだろうね

このほか,新鎌ヶ谷ではコンコースの誘導ブロック改修を進めていたみたい。工期からしてわかるようにあまり大きな件名ではない。