北総線よもやま話1811

投稿:2018-11-27/カテゴリ: よもやま話

2018年11月の北総線よもやま話。このよもやま話は将来的に四季報として纏めていく前段階の落書きコーナー。

たまにあるんだよね…今月は本当に書くものがない。
全くないわけではないけど,2018年11月を代表する話題かといえば,別に他月でもいいって感じ。。

ダイヤ改定せまる

来月8日に今年も恒例のダイヤ改定を行う旨が1日付で発表された。

今回も修正扱いだが,3回連続の修正は過去40年の歴史で初めてのこと。修正続きでは直すところもそんなにないと言わんばかりに目立った変更点はない。今回の修正で一番珍しいのは何?と言われたら,間違いなく「-4」まで進んだダイヤ番号と答えてしまうほど。

目に見える範囲では,入出庫に絡んで走っていたN台の牧の原~日医大間の区間列車がばっさりと減った。区間列車の接続相手だった列車を見直し,そちらに区間列車の輸送力を転嫁したためだ。区間列車を削減したところで車両の運用面でメリットは少ないだろうが,利用者にとっては乗換えが減るから心象はよくなるだろう。

△減ったといえどもまだまだ走るよ区間列車

改定に際して車両や地上設備に手を施す必要はなさそう。平和な冬に乾杯(わら

足元と頭上では…

平和といえば平和な冬。なにせ今年度は耐震補強がない。

しかし,土木構造物に目立った動きがない一方で,足元と頭上は今年度も動きがみられる。昨年度から続いている工事であるものの,今年度もロングレールの交換と高圧ケーブルの張替が進行中だ。

ロングレールの交換は2期線を中心にやっていて,西白井の基地には新しいレールが山積みに。ただし,交換しているのは本線のみで,副本線には90年度…つまり2期開業時に溶接したレールが残っている。

△シーズン到来。ところで積桁車の銘板ってどこにあるんだろか。

△交換が進むロングレール 溶接箇所が見切れているけどガス圧接による

また,高圧ケーブルの張替も2期区間で進んでいて,やはり西白井の基地には軌陸車の姿が見える。西白井の基地に常駐しているのは京成電設工業と東急テクノの2社だが,実際の作業はNDKや東邦電気などのよう。ざっくり見た感じでは,動力高圧,信号高圧の両方が張替えているみたい。また,1期区間ではビーム塗り直しも進んでいて,すでに相当数のビームが濃灰色になっている。

△塗り直したビーム,ちょっと色が暗いんだよね…

こうした一連の工事は,内容や昨年度からの継続をふまえると,決算に謳うリフレッシュ工事の一環とみてよさそう。例年の耐震補強に振っていた予算を修繕費に充てられるのだから,大掛かりにやっても大丈夫なのだろう。なにより,北総の現場設備といえば十数年前まで最低限の保守だけでやってきたようなもの。それがここ十年少しで一気に新しくなったし,新しい設備も増えている。潮目が変わってきているのは無視できない。

視点をもう少し広げると,債務超過を解消し,累積損失も毎年着実に減らしてきている。このペースでいけば累積損失の解消も間近…と浮足立つ観測があるのだけど,償還期間を見直しても今後の金利変動リスクを抱える巨額の2期線建設費…有利子負債の問題は残るし,足元の千葉ニュータウンでは他地域よりも急速に高齢化して利用の減少が見込まれるという問題もある。高齢化と流出による人口減少が起きている小室の状況をみれば,今後これがニュータウン全域に広がることへのリスクというのは,とうの昔に不動産業をやめて鉄道事業だけで生きていくことになった北総としては決して看過できまい。

昨今の設備投資への積極的な姿勢は,こうした今後の不透明な情勢に向けての布石だとすれば納得できる。車両の面でも最古参は90年度導入の7300形となり,車体改修によって当面の使用に向けた手を打っている。

このウェブサイトは超トーシロが超テキトーに書いているので観測の精度は超残念って感じだけど,不透明な今後に対して足元を固めようと積極的な北総という構図で,なおかつ先の問題に対する有効な打開策に欠ける状況が続くのであれば,今後の北総に対して楽観的な観測ができるかと問われてもビミョーって答えちゃうかなあ…。

まあ…行政巻き込んで戦略的に打つ手を打たないとダメだね…事業者や行政の歩調バラバラに頑張ってもダメっしゅ。

CNT所有車にもLCD化の波

先月のよもやま話で指摘したように,やはり車内案内表示器の更新ペースが早い。

7308編成に続いて7318編成も更新を終え,7300形2編成は更新完了。そして16日付で9108編成も更新を終えて18日の33N運行から営業運転に入った。

△9100形にも新しい車内案内表示器が

9100形の表示器の仕様は7300形と同一で,おそらくキセは別として表示器本体は完全に共通品みたい。7300形ではキセごと交換していた表示器だが,9100形では従来のキセを再利用している。

ただし,表示部の寸法が先代,先々代のいずれとも異なるので,先代がそうだったようにキセとの間に取付ジグを噛ませている。おそらく,キセ側に生えているだろう当初装備していたLED表示器の取付スタッドと今回の表示器(パッとビジョン)のピッチが違うので,ピッチの変換に用いている…というのが,このジグの目的だろうか。

先代の表示器ではスピーカ部がLED表示部に近接していたので,キセの開口部にスピーカを露出させるようにジグを作っていたのね。だから,開口部に対してLED表示部が右に寄っていて不格好だったのだ。7300形のキセを見ればわかるように,今回はスピーカ部が表示部から離れている。既存品を使い回す9100形のキセでは,開口幅に対してスピーカが収まりきらないようで,今回の更新ではスピーカがキセに隠れてしまっている。既存のキセに穴を開ければいい話ではあるけど,どうせ使わないスピーカのためにキセを外して費用も時間もかかる改修をするかと言えば,それはNASAだろう…

△スピーカは隠れてしまったけど表示部はきれいにセンタリングできてて見栄えはよい

7300形同様,9100形でも旧来の表示器をそのままリプレースしているため,6箇所のカモイすべてに表示器を配置していた1次車では,やはり6箇所すべてに新たな表示器がついた。表示制御器の更新や表示ソフトウェアの扱いについても7300形と同じで,今後はこれが北総の標準品になるってことだね。

…って〆ようと思ったら,9101号車海#1ドアのカモイに付いている表示器が京成からの借り物なんだって! ふと見上げたら表示器の裏側に借用品ってテプラが貼ってあるのだもの。まあびっくり。施工日と施工者まで書いてあったので,それで9108編成の施工日が特定できたわけなんだけど,京車工がやるんだね。なにより,京成からの借り物ということは,3700形用に持っていた予備品だろうから,つまるところ,9100形の表示器は3700形と同じもの,なので7300形とも同じってわけ。

△へぇ~

見たところ借用品はこの1箇所だけのようで,施工者がトラブったのか,メーカサイドでトラブったのかは分からない。ひとまず京成と北総が同じ表示器を使い回せるというのは,以前の記事で指摘したように,大きなメリットなのだろう。

駅がつながる,店はどうなる?

9月のよもやま話に載せた新鎌ヶ谷の南北自由通路の件だが,ついに北総側高架にも仮囲いがつくられ,新京成新駅舎との接続が目前に迫ってきた。

△この仮囲いが外れるころには…

あくまで,この自由通路は北総の施工でも資産でもなく,市と連立事業者である新京成の案件になるのだが,自由通路の展開を追っていくと少なからず北総に影響がありそうなので書いておく次第。

その前に,北総と新鎌ヶ谷の関係についておさらいしておこうね。

現在の新鎌ヶ谷駅は90年度の2期開業時に合わせて設置されたものだけれど,駅の躯体を含めた高架橋は,千葉ニュータウン区間から新京成との接続点である北初富駅までを結ぶアプローチにあたるため,千葉ニュータウン区間外でありながら,1期線の一部に組み込まれて78年度に完成している。

この高架橋は,千葉ニュータウンの西端にあたる粟野山隧道の南側坑口から新鎌ヶ谷駅付近までの鎌ヶ谷高架橋と,そこから移転前の北初富駅があった場所までの北初富高架橋に分かれているのね。

△こんな感じ 中沢高架橋から南側が2期区間

この当時の新鎌ヶ谷周辺というのは農地か林…って感じのド田舎だったのだけど,将来の都市計画に即して,計画道路と交わるだろう部分は架道橋として桁を渡し,幅員を確保してきた。

そして,新鎌ヶ谷駅を設置することも決まっていたから,駅となる部分には10両編成に対応するホーム2面からなる躯体を用意していたし,ホームの下には2層からなるコンコースを設け,将来的に野田線や北千葉線との乗換えもできるように自由通路の配置も決めていた。このときの計画では,自由通路は地下…今の駅周辺より1層低い野田線の線路と同レベルで設ける予定だったのだ(詳しくはこれを参照)。

ところが,北総が高架橋を作って長い月日が経ち,駅や街は全く異なる計画として動き出してしまった。その結果が今の新鎌ヶ谷で,道路は架道橋と外れた場所を通っているし,駅のコンコースも高架1Fの1層だけになっている。

南北自由通路も同様に高架1Fレベルで作ることになったのだけど,さあ大変,北総の高架橋には自由通路の桁を載せられる構造がない。新京成と北総の高架のスキマはわずか6mほどなのだけれど,こうした事情もあって,北総としては鎌ヶ谷高架橋に自由通路の荷重をかけてほしくないんだそう。9月の時点で高架脇に柱と地中梁が見えていたのは,鎌ヶ谷高架橋に荷重をかけないためのものってこと。

△画像左下に見切れているのが地中梁と柱 自由通路はちょうど高架橋2スパン分にあたる

しかも,10年ほど前に南北自由通路の幅員が決定したのだけど,その幅なんと16mもあるのだ。今後の展望をどう考えているのか気になっていたところ,ちょうど今年6月の市議会で話題になっている。

市議会の会議録によると,まずは来年度の新京成高架化にあわせて北総との間に横断橋を設置するそうで,幅員16mのうち8mが鎌ケ谷市による「まちづくり」としての部分,残る8mは連立事業者である新京成が利用者の利便のために設ける部分という区分になっているよう。

△南北自由通路の計画を現況を模した図に落とし込むと…

南北自由通路の16mという幅員は,野田線側の東西自由通路のそれより広い。広さについての是非はともかく,北総の鎌ヶ谷高架橋にそれだけの幅員があるかというのが問題だ。2000年代中ごろからテナントを入れ始めた鎌ヶ谷高架橋は,12年度に残っていた催事場…という名の空きスペースをテナント3社4店舗に貸して今のような姿となった経緯があるのだけれど,北総側の駅本屋とパン屋の間の通路だけでは16mもの幅員を確保できない。上の画像で示されるように,自由通路の幅は高架橋2スパン分に相当していて,1スパン分しか通路幅のない北総側では通路拡張の必要がある。

仮囲いの裏を新京成側から覗いてみると,まだ横断橋の桁は完成していないものの,新京成との間に2箇所の足場が渡されているのが確認できる。

△新京成の仮ホームから囲いの裏を覗くとこんな感じ

1箇所は仮囲いの内側,つまり通路の延長線になるのだけど,もう1箇所はパン屋やチカラめしなどが入るテナントの裏手にある。足場やすでに確認している地中梁などの位置から考えると,鎌ヶ谷高架橋のテナントは横断橋完成によって見直されるのでは…というか見直さないことには,横断橋の整備予算を今年度予算に計上した鎌ケ谷市が黙っていないだろう。絶滅危惧種になったチカラめしは図上では生き残りそうだけど,北総のテナント収入に直結する問題として要注目という感じー。