沿線点描

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北総線よもやま話 1804

2018年4月の北総線よもやま話。このよもやま話は将来的に四季報として纏めていく前段階の落書きコーナー。

春まつり

毎年恒例。…といっても2期線開業からしばらくして始まった増収策イベントの中で長続きしたのは,この春まつりとビールまつりくらいなもの。後は何よという話だが,夏には聖徳中高のコンサート,秋にはコスモスまつりがあった。どちらも今は北総と関係なくなった。

さて,春まつり自体は全く目新しさなし。中央駅南北自由通路の改修が完了したため,昨年のように北口のUR所有地を間借りする必要もなく,自由通路と北口ロータリーだけで完結する内容。自社ブースでの廃品市は今年も実施しているが,17年度中に全て産廃になった9000形関連は手摺や吊り革などどうでもいいゴミだけ,新サイン化によって交換された東松戸管内のサインが大量に積まれている程度。まあ…前者は色々と事情あってのことだろう…。

春まつり号は通算9回目。本当なら10回目なんだけど,11年が運休だったからね。11年の春まつり号は都心直通20周年記念という触れ込みで7308編成起用予定だったんだけど,これがポシャったから7300形/7800形の春まつり号は今まで実績無し…という状況。で,ようやく今年の春まつり号で7828編成が起用されて,なんとな~く北総にいる顔ぶれは全部春まつり号で走りましたよ,って言えるようになった。もちろん,7300形と7800形を厳密に区別すれば,まだまだなんだけども。

7828編成の起用は単にネタ切れだろう…。担当者が往時と変わったというのも一つだけれど,新顔の7828編成くらいしか車両の話題が無い状況だし,7828編成も時間が経てば7800形の中に埋もれて話題性がなくなると考えれば,今年起用しておくというのはベターな選択肢だったのだろう。

正直どうでもいいからテキトーに消化しておくか…ってところだったんだけど,17年度に日暮里にホームドア,上野にホーム柵が付いた関係で,上野線にそのまま北総車を入れられなくなったのは注目点だった。両駅への対応として,京成車には乗務員室扉に赤いマーキングを入れたのだが,北総車は上野線に無関係なので施工していなかったのね。これは7828編成も同様だったのだけど,今回の春まつり号のためにわざわざマーキングを入れて対応させていたのは注目だった。

△乗務員室の落とし窓と靴摺りに赤いマークがあるけれど,これが上野日暮里対策

これまで北総車の上野線入線は,10年の9000形起用時に運転取扱い上の都合で試運転を1回挟んだくらいで,車両側への改造なしに突っ込めていたのだけど,ついに車両側に何らかの手を加えないとダメになったのがこれで確実になった。もちろん,上野も日暮里も地上設備側は北総車の入線を踏まえて設計していて,車体の異なる9100形にも対応しているのだが,決してそのまま入線できるってわけではないってことね。あとはもはやどうでもいい…

珍しく77Nなんて運行番号を振っているのだけど,77って数字の意味はダイヤ担当者にしか分からないだろう。現行No.117-3ダイヤの不定期行路の続番かと思ったら,今は79Nまでスジを敷いているようなので,この線は無いだろうね。91Nと99Nですらその区別は担当者次第のようなので,まあ77Nも大した意味は無いんだろう。

77Nを名乗る列車が走るのは,手元の記録が正しければ2010/12/15以来,7年ぶりのこと。このときは小室3番線で行われた異常時対応訓練に伴う運行で,7268編成を起用した。異常時対応訓練が小室で行われたのはこの時限りだったと記憶していて,その後は再び矢切に戻ってしまったし,7268編成の起用もその後は無かった。

7年前のスジを見ると,新鎌返しでも問題なさそうなのに矢切返しという一風変わったダイヤで走っているのだが,矢切以南を走る77Nというのは2003年に北総車による定期列車の運行番号が61N~79Nから21N~39Nに変わって以来,実に14年ぶりな可能性が高い。もしかすると走っているかもしれないので確証はないが,ずいぶんと久しぶりなのは事実だろう。

ヘッドマーク?どうでもいい…。7500形3編成と9200形1編成,あとは7828編成の5編成掲出だった。

ICレコーダ

4/16初電から北総線でもICレコーダによる案内放送が始まった。放送内容は案内放送だけ,機械もソニーの市販ICレコーダを使うだけなので,特に珍しいものではない。むしろ,京成本線で10年以上前からやっているICレコーダ放送の考え方とかやり方をパクっただけ。

北総線内の機械放送は95年度の9100形営業運転開始に端を発するのだが,この時はまだ行先種別案内や次駅案内だけで,それも04年に廃止している。案内放送の類が機械化されるのは12年度の9200形登場からだけど,9200形が3000形8次車のコピー品で,7次車から積んだ自動放送装置をそのまま積んだからこそオマケ機能がそのまま使えたという話であって,自動放送装置のメイン機能であるアクセス線の自動放送が不要な北総がこれを全車に波及させるかといえば,まず無理な話だった。

結局,いかに安くサービス水準を上げるか…となれば,京成本線で実績のある市販ICレコーダの導入は現実的な選択肢だったのだろうね。

とはいえ,車両側の放送回路に手を加えないとダメなのも事実なんだけど,17年度に1号線各者が車掌操作器にICレコーダ接続箱を増設している。恐らく,1号線各者で将来的にICレコーダなりタブレットなり,3.5mmのイヤホンジャックを介して音声を流せるようにすることを取り決めたからだろう。1社が言い出すと改造費用を持つ羽目になるので,北総が単独で言い出すとは考えづらく,各者がそれぞれ言い出したことが纏まったと見るべきか。つまり,北総に限らず他者もICレコーダに準じた何かを乗務員に携帯させて案内放送させるのは遠からずあり得ることだろうね。

北総に限って見れば,9000形が引退して旧式の車掌操作器を持つ車両が無くなったので,導入しやすい時機を狙っての判断があったのではないかとも考えられる。まあ,ICレコーダ接続箱が水平展開され始めた時点で,この結果は想定の範囲内であった。

ちなみに現時点で都営車にICレコーダ接続箱がなく,都営車のときだけ放送が流れないのだが,別に取り付ける意思が無いというわけではないようで,一度は取り付けたのだが,何かトラブルがあったようでサッサと外してしまっただけ。いずれまた付くでしょう…って感じか。

放送内容は12種類。ICレコーダのディスプレイに「6/12」などと出ており,早々に全貌が判明した。全音声内容の把握も容易だったので,サッサと纏めて調査完了。こんなのに時間かけてられんわね。放送文は9200形と異なるオリジナル…声優も違う。誰かと思えば早々にツイッターで名乗り上げてたね…アイドル?これもまあどうでもいい…

△ちなみに9808編成はこれに準ずる装置持ってたのに外して付け直し…

旭光の列車接近掲示器

17年度末に大町と松飛台に付いた旭光製の列車接近掲示器。軌道回路条件を拾って導光板が光り,スピーカから音が出るだけの簡単なもの。案内は1種類だけで,以前白井と小室下りにあった発車標と同じ程度の情報量しかない。大町の乗降客数なら十分かもしれないが,松飛台は流石に冒険だろう…

なにより,通過列車に対してのアクションが出来ないのはどうなのか…? 旧HTCと同時に整備され,稼働28年目になる東芝製発車標は13年度を最後に更新がストップしていて,残る4駅のうち3駅は90年度製。これをリプレースする可能性は否定できないが,圧倒的に情報量が落ちるので,単純なリプレースではなく,増設と見るほうが現実的か。

この掲示器自体は新製品のようで,京成でも17年度から中間駅を中心に入り始めたばかりなのだが,北総が入れたということはグループ内の水平展開も可能性有りか。…と色々思案していたが,1ヶ月が経過しても未だに準備中。さてどうなる。

△にしても薄いね…軽いから取付金具も細身ですっきりしている