/無料公開
京成車の方向幕の話とか設定器の話とか
ええすっかり忘れていましたとも。いつものこと?いつものこと。
超久々に行った久里浜のイヴェントも終わり,いよいよ6月といったところですが,はてさて原稿は進まずどうしたものかと思案する毎日。
忙しくてそれどころじゃないってのもあるんですが,文章が出てこないといつまでたっても進捗ダメですなんですな。
だからといって北総線の話題があるかといえば,あるにはあるけど無いみたいな,そんな感じなので,お茶を濁すような感じで更新しましょしょしょ。
1.7318編成の宗吾出張
何を今更なんだけど,先月15日から21日にかけて7318編成が宗吾区に入場していた話。
目的自体は別に大したことではなくタダの空調整備と輪軸交換(7・8号車)で,これだけならスルーしても良かったんだけど……ほら,ヘッドマーク付いてるじゃんって。
先々月の記事でも書いたとおり,同車は四直25周年ヘッドマークを掲出しているわけで,レヤ貴重()とばかり釣られてみた次第。
宗吾区での作業自体は16日からで,前半に空調整備を実施した後,後半で輪軸交換を実施。返却前日の20日夕方のS65運行で佐倉まで1往復の試運転を行なっている。
返却は21日。いつもの89Nなのでテキトーに撮って終わり。そんなとこでしたとさ。完
2.京成車の新行先方向幕の話
これもまた今更なんだけど,昨年末から3400形・3500形更新車・3600形(要はYA-90199系装備車)を対象とした行先方向幕交換が行われている。
新線が開業するわけでも新駅ができるわけでもなく,交換理由としては定期的な経年交換に過ぎないのだけど,ここに来て方向幕の内容に新展開が見られたので一応記録しとこう…と思ったら,3500形更新車は8連組まなくなったわ,3000形8連が増えまくって3400形の北総入線率は相対的に下がるわ,忙しくて入線する日に限って撮れんわでロクなことがない(笑)おかげで半年以上放置物件という有様。
で,何が変わったかというと,「(北総・公団線)」の路線表記がついに完全消滅したのである。
1995年の印西牧の原開業以降,北総線列車は「なんかよく知らない行先」を出して走ることになったため,行先の上に「(北総・公団線)」とカッコ書きして方面アピールをしてきたのだけど,北総・公団線が北総線に戻って早12年(!),ようやくこの表記が完全に方向幕から消滅した。ここにも掲載している通り,この路線表記は2010年度に青テープの重ね貼りで抹消されていたものの,完全消滅した新版の導入は今回が初である。
上の写真を見ると分かるように,だからといって方向幕のレイアウトは全面的な見直しに至っていない。路線表記があった行先上部はぽっかりと空いたままで,行先を上まで拡大するといったことは製版上のコストが増すからか見送られているようだ。
画像は側面行先用だが,同時に3400形前面行先用や3500形更新車・3600形前面行先用も新調されている。この中で唯一黒地である3400形前面用は,従前からの抹消に黒テープを用いており,側面の青テープほど透けていなかったことから,新版と旧版で大きな差を見つけることはできないものの,これまで31コマ目に入っていた「(成田空港方面)佐倉」が抹消されており,これを一つの相違点として区別することができる。一方で,3500形更新車・3600形用の前面幅広行先幕については,3400形と対照的に「(成田空港方面)佐倉」が今回新規収録されている。「(成田空港方面)佐倉」については,2010年度のアクセス線開業によって不要になったコマであり,既に使い道はなくなっているが,なぜか2006年に同行先を追加しなかった車両に今更追加されるというサプライズが発生している。
今回変化が生じた印西牧の原・印旛日本医大・(成田空港方面)佐倉の各コマは,それぞれ35・36・31コマ目であり,字幕の後半部分を滅多に表示しない京成車の運用形態を鑑みると非常に確認が難しいところである。交換開始から半年が経過しており,着々と新方向幕が普及してきているので,空港佐倉についても近いうちに記録できればと思っている。
3.設定器の「ホーム外設定」が使えない駅について
(諭吉を生け贄しながら)念じてたら突如目の前に設定器が召喚されたので遊んでいるなう。なう(超死語感)。
設定器とは,3700形以降の各形式に搭載されている指令装置のことで,行先表示器やモニタ装置など各種機器に総括して指令を出すことのできる機器である。実態としては停車駅予報装置の制御部であり,車輪径と歯車を予め入力しておくと,それに応じた指令情報を送出し各種機器を動かしている。例えば表示器に関しては下の図のように結線されて制御している。
で,この設定器には前から気になっていた機能が複数あって,ようやく実機を好きなように弄って検証することができた。
その一つが「ホーム外設定」機能の使用可能駅についてである。
設定器の操作指令は種別と始発・終着駅コードの入力後「ホーム上設定」もしくは「ホーム外設定」ボタンを押下することで確定される。「ホーム外設定」という機能は,引上げ線のようなホーム以外の場所で設定器を起動させる時に用いられ,設定後最初にドアが開いた地点を始発駅として認識する。例えば青砥引上げ線始発の上り列車であれば,青砥引上げ線で「ホーム外設定」により起動すると,青砥でドアを開けた瞬間「青砥」と機器が認識するわけである。
しかし,この機能には使える駅と使えない駅がある。設定器では入力された設定内容で進路が構成できない場合,エラーを吐いて「再設定」ボタンが点灯し,再度の設定を促す機能がある。始発駅と終着駅が同じ場合(例:金町発金町行)や,途中で進行方向が変わる場合(例:羽田空港発新逗子行)などが進路エラーになる条件だが,なかには進路自体は適正なのに「ホーム外設定」にするとエラーを吐く駅が存在するのである(「ホーム上設定」で起動すると正しく動作する)。
「ホーム外設定」不可能駅については,設定器の内部ソフトのバージョンによって違いがある(古いバージョンだと泉岳寺も不可になっているが,現在は可能)ものの,2010年7月17日改正対応の比較的新しいバージョンの環境で実証することができたので,その結果を下の表に纏めてみた。
駅コード | 駅名 | 可否 | 駅コード | 駅名 | 可否 |
---|---|---|---|---|---|
01 | 上野 | 不可 | 20 | 泉岳寺 | 可能 |
02 | 青砥 | 可能 | 21 | 西馬込 | 可能 |
03 | 高砂 | 可能 | 30 | 品川 | 不可 |
04 | 小岩 | 不可 | 31 | 川崎 | 不可 |
05 | 東中山 | 不可 | 32 | 新町 | 不可 |
06 | 津田沼 | 可能 | 33 | 三崎口 | 不可 |
07 | 大和田 | 可能 | 34 | 新逗子 | 不可 |
08 | うすい | 可能 | 36 | 羽田空港 | 不可 |
09 | 佐倉 | 可能 | 37 | 蒲田 | 不可 |
10 | 宗吾参道 | 可能 | 40 | 矢切 | 不可 |
11 | 成田 | 可能 | 41 | 新鎌ヶ谷 | 可能 |
12 | 成田空港 | 不可 | 42 | 西白井 | 可能 |
13 | 東成田 | 不可 | 43 | 千葉NT中央 | 不可 |
14 | 押上 | 不可 | 44 | 印西牧の原 | 可能 |
15 | 金町 | 不可 | 45 | 印旛日本医大 | 可能 |
16 | 千葉中央 | 可能 | 50 | 大森台 | 不可 |
17 | 八千代台 | 不可 | 51 | ちはら台 | 不可 |
60 | 芝山千代田 | 不可 |
京急線内はいずれの駅であっても不可能で,その他の路線ではちらほらと不可能駅が見られる。路線の末端の駅は無条件に不可能駅(ただし末端に引上げ可能な西馬込は可能駅)であることを除けば,法則という法則はなさそうである。ダイヤ上で引上げ始発が存在する駅は可能駅にされていると見ても良いのだろうが,それなら品川や川崎は…といった反例が上がるわけで,何とも言いがたい。なお,可能駅については,いずれの進行方向であっても「ホーム外設定」で設定可能である。例えば,泉岳寺引上げ線発の成田方面行は一度泉岳寺で方向が変わるためエラー条件に引っかかるように思えるが,この場合でもエラーにはならない(実際にこれを設定すると,泉岳寺でドラムが逆転するため,その時点で設定器の電源が断たれ,設定内容は一度リセットされる)。
このほかにも気になっていた機能はあるのだが,その辺はまた追々紹介していくとして,今回は「ホーム外設定」の可否だけで〆ておこう。