北総車種別幕:NT60―北総7050形側面用1995年度版

概要

1995年度に導入された7050形用の種別幕がNT60である。

1990年度の北総2期開業時に導入した7150形の老朽化により,1995年度より京成から余剰車のリースを受けて7150形の代替とすることになり,こうして導入されたのが京成3150形を種車とする7050形である。

7050形の種車である京成3150形は,更新当初こそ7000形と同一のYA4650系接点式表示器を装備していたが,北総・公団線のみならず,京急線,千葉急行線など直通運転網が拡大したことで,20コマを上限とする接点式表示器では行先表示のコマ数が不足し,1992年度から順次,上限が40コマとなるセンサ式表示器YA-90199系に換装されてきた。7050形として北総へリースされる頃には全てセンサ式表示器を装備しており,その種別幕は,NT40の派生元で京成仕様の青地幕KT30を装填していた。7050形は7150形と異なり,リースにあたって専用の字幕を制作せず,京成時代の字幕をそのまま活用する形で導入されたことから,この時装填していたKT30が北総管理となり,NT60となった。

行先や運行番号の字幕については,前者では矢切など必要な表示が含まれていないものがあったため,シールにより追加処理。後者ではNを含まない1990年度以前の字幕が残っていたことから,当初こそSで代用したものの,最終的にNを含む字幕に交換している。ある程度の手間が必要になった行先や運行番号と異なり,種別幕NT60は全く無改造で使用されており,淘汰まで手付かずだった。

NT60,つまりKT30はNT40や後継NT50の派生元でもあり,同じ配列を持つことから,相互に互換性を有した。7050形に対してNT40やNT50を装填した事例はないものの,同形式が廃形式となったとはNT60が北総の予備品として残存したことで,7300形に対して暫定でNT60を装填した実績がある。

もっとも,2004年度にNT40やNT50の9コマ目に快特が追加されてからは,NT60は種別幕として必要な表示を満足しなくなったため,7050形の後を追うように廃棄となったようだ。

字幕一覧

△1:基準

△2:通勤特急


△3:特急

△4:急行


△5:普通

△6:回送


△7:試

△8:臨時