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公開日:2016年1月14日

北総車行先幕:N70―北総800形側面用1990年度版

概要

北総2期線開業時に導入した車両群の中で最も遅く入籍した800形向けの幕がN70である。800形は新京成から8連1本を購入したものであるが,近い将来の新京成返却(売却)を前提としていたにもかかわらず,北総オリジナルの方向幕を作成している。

7000形向けN30や2000形向けN40のように当時の北総車行先幕はいずれも共通の標準配列によって作成されていたが,N70は原版の都合から標準配列とは全く異なる配列を採用した。N70は新京成で当時使用していた汎用幕を原版としており,空きコマとなっていた12・13 コマ目に新鎌ヶ谷と矢切を追加している。それ以外は書体やデザインに至るまで新京成のものと同一であった。なお,新京成では12コマ目に「くぬぎ山(北初富で松戸行に連絡)」という青地のコマをシールで追加しており,13コマ目は白地であった。

N70および原版となる新京成汎用幕の配列は,当時の運行系統に則して作られている。当時の運行系統では,松戸口には北初富経由で北総線からの直通列車が来ており,直通列車によって列車本数に差が出る北初富以南は鎌ヶ谷大仏で折返す津田沼口の区間列車が運行されていた(俗に言う「初富飛ばし」時代である)。4コマ目から6コマ目の「北初富」「千葉ニュータウン中央」「松戸」は当時の松戸口で使う行先を固めており,「千葉ニュータウン中央」を上に区間列車用の「北初富」を配置している。下部には「松戸」が配置されているが,これは更に下に続く津田沼口や全線通し列車を想定したものだろう。「くぬぎ山」は松戸口・津田沼口ともに入出庫で使うため,中央付近の7コマ目に配置されている。この下が津田沼口の配列となり,全線通しを想定して「京成津田沼」が最上部に入る。そして,区間列車用の「鎌ヶ谷大仏」が下に続く。「高根公団」は80年代まで高根公団折返しの津田沼口区間列車があったため「新津田沼」とともに配置されている。2コマ目と3コマ目の「八柱」「小室」は滅多に使う表示でないことから隅に追いやられたものとみられる。

N70の特徴は,自社の車庫所在駅であった西白井の表示を持たないという点であろう。新京成車の西白井停泊は1981年の時点で既に存在していたが,北総2期線開業まで西白井への入出庫列車は全て北初富及び千葉ニュータウン中央(千葉ニュータウン中央開業前は小室)からの回送という形で運転されており, 西白井の幕を用意する必要は無かった。また,2期線開業後も新京成線直通系統の西白井入出庫は,千葉ニュータウン中央からの回送に限定された。したがって,西白井の表示が無いN70でも運用は十分に可能であり,この点において北初富を持たなかったことが欠陥となったN00とは異なっていた。新京成幕との違いであったN70の「新鎌ヶ谷」「矢切」コマは,定期列車の設定がなかったことから使用されずに除籍を迎えており,幻の表示となった。当時,矢切の表示を出すことができた車両はN70を装備していた800形のみで,当形式は一号線の車両で初めて矢切表示を持った車両であった。他の北総車行先幕に矢切表示が追加されるようになるのは,1992年度まで待つことになる。

字幕一覧

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△1:空白

2:小室

△2:小室


3:八柱

△3:八柱

4:北初富

△4:北初富


5:千葉ニュータウン中央

△5:千葉ニュータウン中央

6:松戸

△6:松戸


7:くぬぎ山

△7:くぬぎ山

8:京成津田沼

△8:京成津田沼


9:鎌ヶ谷大仏

△9:鎌ヶ谷大仏

10:高根公団

△10:高根公団


11:新津田沼

△11:新津田沼

12:新鎌ヶ谷

△12:新鎌ヶ谷


13:矢切

△13:矢切

14:試運転

△14:試運転


15:回送

△15:回送