2016年1月15日公開・ 最終更新
概要
7150形の代替として導入された7050形に始まる京成リース車は,7150形がそうであったように,元の仕様を極力活かした最低限の改造で入線した。京急車と異なり,当時の京成車の方向幕は,北総車として使う上で大きな問題を抱えていなかったため,方向幕においても一部行先の追加のみでそのまま北総へリースされた。この字幕群がN110~N130系であるが,これらは7050形の引退とともに一度はその系譜に終止符を打っていた。
2002年度より始まった7050形の代替リースは,7800形と7250形それぞれ1編成によって完了した。このリース車も7050形同様に京成時代の方向幕を装填していた。羽田空港など北総車の運行範囲に対応する必要に加え,英字無し・試験英字時代の字幕が新たに刷られなくなって久しいことから,両者とも英字入りの字幕でリースされており,N130系に相当する字幕ではあったが,大きな違いは2002年度の改修有無だった。この改修は,芝山鉄道開業に伴って芝山千代田を40コマ目に入れるというものだが,合わせて39コマ目に八千代台を追加する改修も行っていた。この2コマの入った字幕は,7050形の最終リース車が2001年度入籍だったことから,7050形には装填された実績がない。したがって,2002年度改修を経た字幕K116相当の北総車行先幕化は,N133で途切れたN130系の別の枝として定義することができる。これがN133に始まる北総車行先幕の系譜だ。
京成仕様の行先幕であるN130系の特徴は,35・36コマ目の路線名表記が「北総・公団線」である点である。これは路線名を北総・公団線としていた時代にはさほど問題なかったが,2004年度の公団鉄道事業撤退によって路線名を北総線に改めると,この字幕は適さない表記を持つものとなった。そこで,北総・公団線を抹消する処理を行ったのが,N134である。抹消処理は北総・公団線表記の上から透けないように厚手の黒色テープを貼り付けたもので,地色が青色の側面用字幕はテープの色と地色が揃わずにはっきりと確認できた。7800形の正面用表示器YA90220に装填する字幕は,地色が黒色のためテープ自体が目立つことはなかったが,文字の配置バランスが悪くなったのは側面同様である。
その後,2000年代後半に相次いでリース車の字幕が北総車汎用のN102へ交換され,K134は姿を消したものの,京成車用の字幕自体は7260形中間の先頭車正面にK83/K103相当が残り続け,2014年度末の7260形廃車まで存在した。
なお,京成車はその後も北総・公団線表記のまま使用してきたが,2010年度に北総線直通車に対して青色のテープを上貼りして抹消。さらに,2016年度には版自体から抹消した(配置バランスはそのまま)K150が登場している。