北総線における改札鋏こんの一覧

2019年3月31日公開・ 最終更新

自動改札機が普及した今では改札鋏を見る機会はすっかりなくなってしまったが,北総線の各駅では改札鋏が今でも現役で使われている。

北総線の開業した1979年当時,すでに北総線内では出札・改札の各業務は自動化されていた。これは北総線が開業当時から徹底的な機械化を目指していた証左でもある。ところが,自動改札機などの営業機器はまだ今日のような全国的な普及に至っていなかったこともあり,利用者に対しては「北総線について」と題した小冊子を配布し,そのなかで機器の利用方法について周知,説明するといった当時ならではの出来事もあった。

これほどまでに積極的な機械化を推し進めた一方で,磁気がエンコードされていない記念乗車券や補充券などを筆頭として,どうしても人の手に頼らざるを得ない場面も往々にして存在した。しかも1991年に2期区間が開業すると,開業当初には自動改札機を導入せずに有人改札を設備した新駅がつくられた。これらの駅に自動改札が設備されるには数年がかかり,その間には日常的に硬券を出札する駅もあった。そのため,各駅にはスタンパーと改札鋏が常備されていて,機械化が進んだ北総線にあっても改札鋏は無縁な存在とならなかったのである。ちなみに,どちらを使うかは駅係員の裁量に任されていたようで,使い勝手のよい方を選んで使っていたという。

北総線の改札鋏は今日においても現役である。改札鋏で入鋏される場面は限定的だが,たとえば北総線各駅と成田空港線各駅を相互発着する回数券で乗車する場合は改札鋏で入鋏される(この回数券は窓口処理機での発券でも磁気エンコードがなく,自動改札機が使用できない)。このほか,北総線内の定期券発売所で定期券を購入した際に支給される乗車証で乗車する場合などにも改札鋏が使われる。鋏こんは予備鋏を含めて15種類あり,その切り口は下表の通りである。

聞くところによると,最近はスタンパーよりも改札鋏を優先的に使うのだという。スタンパーではインクが乾かぬ間に手で触れたりして汚れてしまうからだとか。

新柴又矢切北国分秋山東松戸
松飛台大町新鎌ヶ谷西白井白井
小室千葉NT中央印西牧の原印旛日本医大予備鋏

※予備鋏は2019年6月まで新鎌ヶ谷駅連絡口にて常用されていたが,連絡口無人化に伴い予備となった。