7300形旅客案内システム取説

これはなに?

旧世代の旅客案内装置の動作シミュレーションを行えるぱげ…の取説。

いちおうスマートフォンでも動くが,画面解像度はWUXGAくらいあったほうが良い。

操作方法

0.機器全般

機種・ソフトウェアの変更はドラム(前後切換スイッチ)が中立位置である場合に設定できます。各機器のボックス内「反映」ボタンの押下によってプルダウンリストの選択値に応じた機種・ソフトウェアに切り替わります。

1.設定器

1.始発駅での操作

設定器はドラム(前後切換スイッチ)が前位置である場合に機能します。

始発駅ならびに終着駅をサムロータリスイッチにより入力します。サムロータリスイッチの入力値に対応する駅名が液晶ディスプレイ(LCD)に表示されます。

列車種別設定は機種により方法が異なります。照光スイッチで入力する機種は任意の種別スイッチを押下すると,設定しようとする種別のスイッチが点灯します。サムロータリスイッチで入力する機種は,サムロータリスイッチの入力値に対応する種別名が液晶ディスプレイに表示されます。

入力完了後,「ホーム上設定」もしくは「ホーム外設定」スイッチを押下することで設定が完了します。設定内容に誤りがある場合は「再設定」スイッチが点灯し,再度設定が促されます。

設定内容を変更する場合は「再設定」スイッチを押下し,再度入力操作を行います。変更は閉扉後も走行を開始するまで可能です。

2.走行中

閉扉すると「車両状態」ボックス内で「速発周波数」入力が可能となります。ここに速発からの周波数を入力することで,車両が走行状態となります。

設定器の運行パターンで決められた一定の距離を走行すると,次の停車駅に到達したと判定されます。判定後に停車し,開扉することで次の停車駅に停車している状態となります。

一定の距離を走行しないまま停車し,開扉しても次の停車駅に停車した扱いとはならず,駅間で開扉した扱いとなります。

ソフトウェアのバージョンによっては,この判定距離が存在しない線区があります。判定距離が存在しない線区では,どこで停車して開扉しても駅で停車している状態となります。

なお,車両速度は「速発周波数」入力値のほか,設定器下部のフタ内の「速発」と「車輪径設定」の各サムロータリスイッチ設定値により計算されています。「速発」設定値は大歯車の歯数です。

3.途中駅での運行パターン変更

途中駅で列車種別等の運行パターンを変更する場合は,必ず駅停車中に操作を行います。

駅停車後,開扉状態にて「再設定」スイッチが有効となります。有効となるのは,京成線内では始発・終着設定可能駅にて,京成線外では設定器のソフトウェア上に登録された全種別が停車する駅です。

京成線内では,始発・終着駅と列車種別すべてが変更できます。京成線外では列車種別のみ変更可能となり,始発・終着駅はサムロータリスイッチを操作しても設定値は変更されません。このとき,液晶ディスプレイの駅名表示はサムロータリスイッチの入力値とは一致しません。また,京成線外での種別変更時には「回送」,「試運転」,「臨時」,「基準」を設定することはできません。

4.回送等の設定

「回送」,「試運転」,「臨時」,「基準」の各列車種別の設定は,サムロータリスイッチに入力された始発・終着駅を反映しません。

照光スイッチで種別を入力する機種は該当するスイッチを入力した時点で運行パターンが確定します。サムロータリスイッチの機種は「ホーム上設定」スイッチを押下することで確定します。

5.試運転パターン

照光スイッチで種別を入力する機種において「試運転」設定時に他の種別スイッチを扱い,「ホーム上設定」もしくは「ホーム外設定」を押下すると,試運転パターンとなります。サムロータリスイッチで入力する機種の場合は,通常の種別入力値に50を加えた数値を入力することで,同様の状態に遷移します。

試運転パターンでは,行先種別表示器は試運転表示となりますが,車内案内表示器等の機器は営業列車同様の動作となります。

6.その他

ソフトウェアのバージョンによっては,途中駅で自動的に種別を変更するものがあります。

2.制御器

1.自動設定

設定器からの電文受信により,列車種別ならびに行先の設定値を自動的に算出し,制御指令を表示器に送出する機能です。設定器から電文を受信している間は自動設定の指令が優先され,手動操作での指令は上書きされます。

2.手動設定

フタを開け,内部の操作部に設定値を直接入力することで手動操作が可能となります。列車種別,行先いずれか設定する方のキーを押下し,続けて設定番号を入力して起動キーを押下することで,制御電文が表示器に送出されます。

テンキーによる入力値は字幕のコマ番号と一致しています。入力値はいずれかのキーを押下すると上部の7セグLEDに一定時間表示され,左に列車種別,右に行先の入力値を返します。7セグLEDの表示は入力を受け付けている側が点滅します。入力値の確定前に7セグLEDが消灯した場合でも入力受付状態と入力値は保持されます。なお,クリアキーを押下すると入力値は現在の設定値にリセットされます。

入力値が入力可能な最大値を超過している場合など,誤った入力を行うと入力値は棄却され,現在の設定値にリセットされます。入力可能な最大値は字幕の最大コマ数と一致し,その数値はソフトウェアのバージョンにより異なります。

このほか,ソフトウェアのバージョンによっては,特定の入力値を自動的に別の値に変換して設定する機能を有するものがあります。

3.表示制御装置A

1.自動設定

設定器からの電文受信により,メモリーカードに登録された列車種別ごとの運行パターンから案内文章を生成し,表示器に送出する機能です。生成される文章は機種やソフトウェアにより異なります。

2.手動設定

必要に応じて「表示禁止」,「乗換停止」,「放送停止」の各スイッチを使用することができます。

「表示禁止」スイッチ操作により表示器には表示消去指令が送出され,操作されている間は無表示状態となります。解除後は次の表示指令のタイミングから表示が復活します。

「乗換停止」スイッチは案内文章から乗換案内文章を削除するものです。「放送停止」は自動放送装置がないため機能に影響しません。「乗換停止」および「放送停止」スイッチは機種により実装されていません。

4.側面行先種別表示器

制御器からの電文受信により,列車種別ならびに行先を表示する機器です。字幕はプルダウンリストより任意のものに変更できます。

5.車内案内表示器

表示制御装置Aから表示変換器を介して受信した電文により,案内文章を表示する装置です。3色LEDフリーパターン方式の表示器です。ドアチャイムは動作しません。

外観はプルダウンリストより任意のものに変更できます。

6.モニタ表示器

各車床下に艤装したモニタ装置により取得した各機器の状態情報を乗務員室内に集約表示する装置です。

旧装置では設定器からの電文受信により列車種別,前駅からの走行距離を取得し,あわせて速度や現在時刻なども表示します。MR圧や架線電圧,客室温度はページの趣旨と異なるので動作しません。

よもやま

このページについて

この手のパゲは通算すると第5弾になるらしい。第1弾は手元にデータが残っていないが(初代)3000形,第2弾は7260形,第3弾は7500形,第4弾はAE形をモデルにしたもので,これは7300形…ということになっている。別に7300形である必要はあまりなく,「テセウスの船」よろしく9100形用の装置を集めれば実質9100形のようにもできる。機器間のインタフェースが同じなのをいいことに9100形や7500形の機器も設定できるためだ。

実質的には第2弾で作った方向幕設定プログラムと,第3弾で作った設定器プログラムの焼き直しである。ただ,一から作り直すなかで全く別物になっている。ウェブ技術の進歩で当時よりも表現の幅が広がったことで,処理を改めたからである。ついでに当時よりもサンプルが増えたので動作の作り込みも「かなり」実車に近づくようにした。ここまで作り込んでいるのは実機が手元にあるのは勿論のことながら,設定器システムが30年にわたって運用されてきたことによる情報の蓄積が大きい。

よって「かなり」実車に近い動きをするように仕上げているが,それでも完全に実車と同じようには動いていない。ソフトウェアの中身を見ているわけではないし,あくまで出力された結果を集めて論理を想像しているに過ぎないためだ。もちろんソフトウェアのバージョンも乗車当時に気づいた変化を勝手に分類しているだけである。このページを過信して全てを知ったつもりになるのは残念ながら間違いを生むだろう。

想像で作り込んだ部分もかなり多い。表示制御装置はその代表例で,運行された実績のない区間は動作を確かめようがなかった。9100形の旧設定器では京急大師線の運行パターンが設定できたが,表示制御装置側のメモリーカードに大師線の運行パターンが記録されていたか(≒車内案内表示器に表示が出たか)は最後まで不明のままだった。2010年7月改正から北総方面の快速が走るようになって分かったことだが,設定器側には北総線内の快速データがあっても,表示制御装置側には快速データがないので高砂到着場面から表示が出なくなる…なんてケースもあった。運行パターンの設定可否は推測の域を出ていない。

意図的に作り込まなかった箇所もある。たとえば9100形用の開扉方向案内は,開扉方向のデータを作っていないので常に「このドアが開きます」を表示するようにしている(正しくは内部データにより「反対側のドアが開きます」と使い分けられる)。モニタ表示器が子機側(親機側は時刻設定キーがある)なのも意図的だし,設定器から未設定電文が出た時にエラーが必ず「1号車」で出るのは号車分けしていないから。

御託をいろいろ並べてみたものの,結局は自身の勉強不足という感じで相変わらずのシミュレータ「もどき」である。そして一癖も二癖もある実車よろしく,これも一癖も二癖もあるし,いわば不親切な設計である。単に画像を差し替えるだけで済むページのほうがずっと親切だし,システムなんてどうでもいいという声があるのも把握しているが,クセのあるシステムに魅せられた身として声に応えるつもりはない。

しかしまあ…表示文字の問題と<marquee>代替は難しいね。。