2018年4月1日公開・ 最終更新
変電設備概説
北総線における電気方式は,相互直通運転を行う他社局にあわせ直流1500V架空単線式となっている。これを支える変電設備は,全線に約5km間隔で配置された6箇所の変電所(SS)と2箇所のき電区分所(SP)によって構成されている。
変電所の内訳は起点方から矢切,紙敷,鎌ケ谷,白井,船尾,草深となっており,このうち矢切と紙敷が北総2期区間,鎌ケ谷と白井が北総1期区間,残る船尾と草深は旧・公団線区間に位置する。船尾と草深の2変電所は周辺環境を考慮して屋内型の変電所である。なお,これら変電所の名称が決定する以前の計画段階では,起点方から第1変電所,第2変電所…と仮称されていた。
自社による発電所を持たない北総において,必要な電力はすべて東京電力から調達しており,前述の変電所でT分岐にて受電している。受電電圧は矢切,紙敷,鎌ケ谷の3変電所が154kVで,白井,船尾,草深の3変電所は66kVと異なっている。154kV受電となった経緯については,電力供給事業者である東京電力側からの要請によるものとされているが,北総としても66kV送電線などの設備圧縮の恩恵をうけている。経済性の観点では,送電線の引込鉄塔を変電所用地内に設け,ガス絶縁開閉装置(GIS)に直接引き込むことで受電機構を省略するなどの工夫も見られる。ちなみに,鎌ケ谷SSが開設された1978年度当時には154kV受電の電鉄変電所はまだ少なく,これが私鉄初の154kV受電変電所であったといわれる。