一覧:北総車の冷房機

2018年3月18日公開・ 最終更新

CU765B

9100形向けの冷房機で,メーカは三菱。集中式で各車1台を屋根上に搭載する。冷房能力は1台あたり36,000kcal/hである。

電源は旧機種と互換させるため三相交流440V/60Hzのままで,循環風量も110m3/minで据え置かれている。7300形と同様に空調主回路箱は座席下に艤装されている。

動作モードは「暖房」「冷房」「除湿」「自動運転切」の4モードで,空調操作器は7300形と異なりラインデリアの強制入切にも対応する。

導入当初から使用してきたCU765A-G1の置換え用として,2010年3月の9108編成から導入。2012年10月までに9100形全車への導入を終えている。

旧機種とはキセの通気孔などの造作に差異が認められるほか,FRP製の妻部材が省略されている点も異なっている。

CU765B:レール方向から

△CU765B:レール方向から

CU765B:斜め上から

△CU765B:斜め上から


CU718(CU718A)

CU718:斜め上から

△CU718:斜め上から

7500形・9200形向けの冷房機。メーカは三菱で,日車製造分の7502・7503・9201の各編成が各車1台を搭載する集中式。2019年度には東急製の7501編成も同機種に換装された。

冷房能力は40,000kcal/hで,三相交流440V/60Hzを電源とする。冬期の急速暖房立ち上げ用に補助ヒータを内蔵する。7300形・9100形と異なり,空調主回路箱は各車床下への艤装となった。

動作モードは「暖房」「冷房」「除湿」「自動運転切」の4モードで,空調操作器はラインデリア強制入・強制切を含めた6スイッチ構成である。このうち除湿運転は客室温度に関係なく弱冷房運転を行うもので,2018年度より京成所属車両はこれを廃止し,冷房運転時の設定温度を引き下げた「冷房強」モードに改めている。2019年時点で北総所属車両への展開は実施されていない。

冷媒にはノンフロンのR407Cを使用しており,老朽取替は同種取替に留まっている。


CU716A

CU716A:斜め上から

△CU716A:斜め上から

7300形・7800形・9800形向けの冷房機。メーカは三菱で,7308・7808・7818・7828の各編成に1両あたり2台搭載する集約分散式。

冷房能力は1台あたり18,000kcal/hで,循環風量は45m3/min。三相交流440V/60Hzを動作電源としているが,補助電源装置の出力する直流600V回路から空調インバータ装置を介して接続している。これら各形式では2019年度より補助電源装置の更新を実施しているが,その場合もSIVから補助整流装置を介して直流600Vが供給されているため,空調装置つなぎへの変更は生じていない。

空調制御は各車客室内の温湿度センサを活用した自動制御で,動作モードは「暖房」「冷房」「除湿」「自動運転切」の4モードである。編成両端の乗務員室内に設けた空調操作器によりモード切替が任意に可能だが,ラインデリアの強制入切には対応していない。なお,2019年度より編成内3号車(弱冷房車)のラインデリアはこれとは関係なく強制停止されている。

旧機種はCU716で,性能や仕様は同一である。旧機種と異なるのは使用する冷媒だが,外見上もキセの肩部にRをもたせるなどの差異が認められる。

RPU-6006A

CU716Aの東芝版。性能や仕様はCU716Aと同一である。7318編成と9808編成に搭載される。

RPU-6006A:斜め上から

△RPU-6006A:斜め上から

RPU-6006A:レール方向から

△RPU-6006A:レール方向から


CU765A

9100形向けの旧機種。1994年から2012年まで使用。性能はCU765Bと互換するが,冷媒が異なる。

CU716/RPU-6006

7300形ほかの旧機種。CU716が三菱製で,RPU-6006が東芝製。

CU71D-1ほか

9000形向けの冷房機。メーカは三菱で,各車屋根上に1台を搭載する集中式。

冷房能力は1台あたり36,000kcal/h,SIVから出力される交流200Vを動作電源としている。空調制御は各車客室内の温湿度センサを活用した自動制御で,これは北総車として初の採用事例である(ただし,北総開発鉄道の発注車では7300形が初となるため,文献では7300形を初の採用事例としているものもある)。なお,SIVの故障により片肺運転となる場合,負荷軽減のため半減運転となる。

空調操作は乗務員室内に設けた空調操作器によって任意のモードを設定可能で,「暖房」「冷房」「切」の3モードが設定可能である。除湿機能はなく,暖房と冷房はそれぞれ20℃と25℃の設定温度までユニット毎に自動調整される。また,冷房機を停止した状態でラインデリアのみを動作させる「送風」モードが操作器に設けられている。

導入当初はCU71D-1を採用していたが,1990年代より老朽取替にあわせて後継機種への取替を進めた。最終的には2003年度から9004・9005と9018編成各車にCU71Fを採用した。いずれも仕様や性能は同一である。なお,導入当初のCU71D-1は予備品として車庫に保管されていたようで,9008編成が廃車となる直前の2012年9月末に9004号車に再搭載され,同車から供出されたCU71Fが翌年度以降も活躍する9018編成向けの予備品として確保された。

△CU71D-1

△9008~9006・9003~9001に搭載されていたCU71


△最も新しかったCU71F

△キセ側面を外したCU71F


CU15R

△キセを外して吊り上げられるCU15R



7260形用冷房機で三菱製。各車3台を搭載し,冷房能力は10,500kcal/hである。電源はMGからのAC440Vによる。

空調操作は乗務員室内の空調操作器によるが,冷房・暖房・切の3モードのみ選択可。冷房と扇風機は連動せず,操作器下部に独立して設けられた扇風機入切から行う。除湿機能は無い。

RPU-11013

CU718の東芝版。性能仕様はCU718と同一で,単にメーカが異なるのみだが,外見上はキセの形状が全く違う。

東急車輛製の編成に搭載され,7501編成のみこの冷房機を見ることが出来た。